「さてと、次は……この段ボールにしよっか。あれ?」
手にかけた段ボールには側面に何も書かれていない。後回しにしようと抱えようとしたが重たくてピクリともしない。
(すごく重たい……悠作のよね?)
「中身、なんだろう?」
私はベリベリとガムテープを剥がし段ボールを開く。中身を見た私は思わず微笑んだ。
「これ。懐かしい」
そこには大量のアルバムが入っていた。
大学時代、写真サークルで知り合った私達は互いの共通の趣味が写真だったことから意気投合して交際が始まった。
「ふふっ……これは大学の写真展のときね」
そこには顔を寄せ合い、幸せそうに笑う悠作と私が映っている。
「この時は、沢山の人が見に来てくれて……いまでもいい思い出だわ……」
そして私はアルバムをパラパラと捲ると、被写体である私達の後ろに、写り込んでいる人影に息を呑んだ。白いワンピースに長い黒髪。
(……嘘っ……な、んで……あの人が……)
その時、忘れていた記憶が蘇る。
「あの時……悠作を訪ねて、きた?」
十年も前のことで曖昧なところはあるものの、やはり私は美穂子に会っている。写真から展覧会の際に悠作の後輩だと名乗り、訪ねてきた美穂子と三人で軽く挨拶を交わした記憶を思い出したのだ。
帰宅してから、その後輩を名乗る女性を悠作が全く覚えてないと話し、人の顔をなかなか覚えられない彼を揶揄い二人で笑ったことを思い出す。
「間違い、ないわ……」
人の顔を記憶するのが割と得意な私はその際、彼女そのものよりも耳元の黒い薔薇のピアスが気になった。実家が花屋を営んでいる私は花に関する知識が豊富だったから。
黒い薔薇の花言葉は『あなたはわたしのもの』
──ピンポーン
(!!)
過去を振り返っていた私は、突然鳴ったインターホンに身体が跳ねた。
手にかけた段ボールには側面に何も書かれていない。後回しにしようと抱えようとしたが重たくてピクリともしない。
(すごく重たい……悠作のよね?)
「中身、なんだろう?」
私はベリベリとガムテープを剥がし段ボールを開く。中身を見た私は思わず微笑んだ。
「これ。懐かしい」
そこには大量のアルバムが入っていた。
大学時代、写真サークルで知り合った私達は互いの共通の趣味が写真だったことから意気投合して交際が始まった。
「ふふっ……これは大学の写真展のときね」
そこには顔を寄せ合い、幸せそうに笑う悠作と私が映っている。
「この時は、沢山の人が見に来てくれて……いまでもいい思い出だわ……」
そして私はアルバムをパラパラと捲ると、被写体である私達の後ろに、写り込んでいる人影に息を呑んだ。白いワンピースに長い黒髪。
(……嘘っ……な、んで……あの人が……)
その時、忘れていた記憶が蘇る。
「あの時……悠作を訪ねて、きた?」
十年も前のことで曖昧なところはあるものの、やはり私は美穂子に会っている。写真から展覧会の際に悠作の後輩だと名乗り、訪ねてきた美穂子と三人で軽く挨拶を交わした記憶を思い出したのだ。
帰宅してから、その後輩を名乗る女性を悠作が全く覚えてないと話し、人の顔をなかなか覚えられない彼を揶揄い二人で笑ったことを思い出す。
「間違い、ないわ……」
人の顔を記憶するのが割と得意な私はその際、彼女そのものよりも耳元の黒い薔薇のピアスが気になった。実家が花屋を営んでいる私は花に関する知識が豊富だったから。
黒い薔薇の花言葉は『あなたはわたしのもの』
──ピンポーン
(!!)
過去を振り返っていた私は、突然鳴ったインターホンに身体が跳ねた。



