「ほらほら、レオちゃん交代よ。
ティアナちゃんをそんなに振り回すんじゃないの!」
「うわっ、ルイ!」
しれっとレオを押しのけ、
彼は優雅に一礼してから手を差し出した。
「では、ティアナちゃん。
私とも踊ってくれる?」
ウインク付きのその仕草に、思わず微笑み返す。
「もちろん」
そう答えて、差し出された手を取った。
驚くほど滑らかで、洗練された動き。
レオとはまるで違い、身体が自然と音楽に乗る。
「今日のドレスも素敵ね」
「ありがとう」
「本当はね、余裕があったら新しく仕立て直したかったんだけど」
「ルイ、今ものすごく忙しいものね」
「そうなのよ。もう目が回るくらい」
くすりと笑ってから、少し声の調子を落とす。
「……それより、最近どうなの?」
「どう、って?」
視線が自然とディランの方へ向かう。
相変わらず、周囲を人だかりが囲んでいた。
「あの王子様よ。
こんな可愛い婚約者を放っておいて、
あんなに女の子たち侍らせちゃって」
「はべらせて、って……」
苦笑しながら、正直に続ける。
「殿下とは……特には。
あ、でも婚約破棄しましょうって言ったの」
「はあ!? なんでよ!」
「だって婚約自体、ガイルの件があって……
きっと有耶無耶になると思うし。契約上のものだしね」
「それで、殿下はなんて?」
「……ため息ついてた」
「なら承諾してないじゃない」
呆れたように肩をすくめる。
「もう。あの殿下が、今さらあなたを逃すと思う?」
「うーん……」
「逃すわけないでしょ」
少しだけ意味ありげに微笑む。
「それに――
ティアナちゃんだって、まんざらでもないんじゃない?」
「……そうかも」
「もう」
くすりと笑ってから、ルイは優しく続けた。
「でもね。ディランの隣に立つってこと、
王妃になるってことでしょ?」
「……それは、荷が重すぎるよ」
「ふふ。正直ね」
ルイはくるりと彼女を回しながら、そっと囁く。
「その気持ち、ちゃんとそのまま伝えればいいのよ。
あなたの“本当の気持ち”を」
「え……」
「ちゃんと、聞いてくれるわよ」
「……ぜ、善処します」
音楽が、ゆっくりと終わりを告げる。
最後の一歩を踏み、
ルイは自然な動きで私の手を離した。
「楽しい時間をありがとう、ティアナちゃん」
そう言って、優雅に一礼する。
私もドレスの裾をつまみ、同じように頭を下げた。
ティアナちゃんをそんなに振り回すんじゃないの!」
「うわっ、ルイ!」
しれっとレオを押しのけ、
彼は優雅に一礼してから手を差し出した。
「では、ティアナちゃん。
私とも踊ってくれる?」
ウインク付きのその仕草に、思わず微笑み返す。
「もちろん」
そう答えて、差し出された手を取った。
驚くほど滑らかで、洗練された動き。
レオとはまるで違い、身体が自然と音楽に乗る。
「今日のドレスも素敵ね」
「ありがとう」
「本当はね、余裕があったら新しく仕立て直したかったんだけど」
「ルイ、今ものすごく忙しいものね」
「そうなのよ。もう目が回るくらい」
くすりと笑ってから、少し声の調子を落とす。
「……それより、最近どうなの?」
「どう、って?」
視線が自然とディランの方へ向かう。
相変わらず、周囲を人だかりが囲んでいた。
「あの王子様よ。
こんな可愛い婚約者を放っておいて、
あんなに女の子たち侍らせちゃって」
「はべらせて、って……」
苦笑しながら、正直に続ける。
「殿下とは……特には。
あ、でも婚約破棄しましょうって言ったの」
「はあ!? なんでよ!」
「だって婚約自体、ガイルの件があって……
きっと有耶無耶になると思うし。契約上のものだしね」
「それで、殿下はなんて?」
「……ため息ついてた」
「なら承諾してないじゃない」
呆れたように肩をすくめる。
「もう。あの殿下が、今さらあなたを逃すと思う?」
「うーん……」
「逃すわけないでしょ」
少しだけ意味ありげに微笑む。
「それに――
ティアナちゃんだって、まんざらでもないんじゃない?」
「……そうかも」
「もう」
くすりと笑ってから、ルイは優しく続けた。
「でもね。ディランの隣に立つってこと、
王妃になるってことでしょ?」
「……それは、荷が重すぎるよ」
「ふふ。正直ね」
ルイはくるりと彼女を回しながら、そっと囁く。
「その気持ち、ちゃんとそのまま伝えればいいのよ。
あなたの“本当の気持ち”を」
「え……」
「ちゃんと、聞いてくれるわよ」
「……ぜ、善処します」
音楽が、ゆっくりと終わりを告げる。
最後の一歩を踏み、
ルイは自然な動きで私の手を離した。
「楽しい時間をありがとう、ティアナちゃん」
そう言って、優雅に一礼する。
私もドレスの裾をつまみ、同じように頭を下げた。
