夜明けが世界を染めるころ

私は、丸5日間眠っていたらしい。

ゆっくりと目を開けると、
きらきらとした金髪と、間近で視線が合った。

「おかえり」

ディランが、柔らかく微笑む。

身体を起こそうとして、思わず力を込めた。
けれど指先も、腕も、言うことを聞かなかった。

「無理しなくていい」

そう言って、彼はそっと手を取り、
身体を支えるように抱き起こしてくれる。

「……すべて、終わったんですね」

「ああ」

短い答え。

「そっか……」

胸の奥がほどけた瞬間、
安堵と一緒に、涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。

「ティアナ……?」

ディランの瞳が、心配そうに揺れる。

ナタリーさんとの別れ。
トワとの別れ。

思い返せば、あまりにも多くのことがあった。

できることなら――
トワと、この先も一緒に歩いていきたかった。

「ディラン……」

「なんだい?」

「あの約束……まだ、有効ですか?」

一瞬、きょとんとした顔をしたあと、
彼はすぐに察したように、ふっと笑った。

「ああ。もちろんだ」

そう言って、腕を広げる。

「おいで」

その胸に、そっと身を預けた。

抑えていた涙が、一気に溢れる。

これでよかったのか。
正しかったのか。

今も、まだわからない。

それでも――

温かな鼓動に耳をあずけながら、
私は確かに、生きてここへ戻ってきたのだと思った。