「第一騎士団、前線展開!」
「王国騎士団、左右から包囲!」
号令が飛ぶ。
剣と魔法が交差し、火花と衝撃波が戦場を揺らす。
暴走するガイルの斬撃を、騎士たちは必死に受け止め続けていた。
だが――
「押し切れない!」
「魔力が……再生している……!」
どれほど斬り伏せても、黒い魔力はすぐに形を取り戻す。
ガイルが咆哮した。
理性の欠片もない叫びとともに、無差別な斬撃が四方へ放たれる。
トワの淡い光が必死に引き寄せているが――
それだけでは、足りなかった。
その中心から、私は一歩、前へ踏み出す。
「……みんな、聞いて」
不思議と、その声は戦場の喧騒を越えて届いた。
「このままじゃ、誰かが倒れる」
揺るがぬ視線で、仲間たちを見渡す。
「だから――中央へ」
胸に手を当て、静かに息を整える。
「私の剣で、打ち砕く」
そして、はっきりと言い切った。
「そのために……みんな、私に力を貸して」
「共鳴する!」
一瞬の沈黙。
だが、迷いはなかった。
「わかった」
ディランが、即座に応える。
「はい、お嬢様」
セナが静かに魔力を整える。
「おし、やろうぜ!」
レオが剣を握り直す。
「今度は一人でやらせないからね」
テオが並ぶ。
「そうよ。私たちも支えるわ」
ルイも笑う。
「やりましょう」
レイが一歩前へ。
「お嬢様、最後までお供します」
ユウリが深く一礼し、
「……わたしもです」
アリスが小さく、けれど確かな声で続いた。
「俺たちも」
「はい!」
ロベルトとアレンも続く。
彼らは自然と、私のもとへ集まってきた。
すると
「第一騎士団、前へ!」
アドルフの声が戦場を貫いた。
「陣を展開。負傷者は後方へ!」
号令と同時に騎士たちが動く。
剣と盾が打ち鳴らされ、結界が展開された。
「王国騎士団!」
別方向から、鋭い声が重なる。
「殿下方を中心に防衛線を構築!
一歩も近づけるな!」
「了解!!」
地鳴りのような返答が響く。
混沌としていた戦場に、
人の意志が、秩序を取り戻していく。
「ティアナを守れ!」
その声に、思わず顔を上げた。
一瞬だけ、父と視線が交わる。
そこにあったのは、
叱責でも迷いでもない――信頼だった。
「……全員、命を賭して守れ!」
騎士たちが前へ出る。
鋼が壁となり、
魔法が天蓋のように広がった
(…ありがとう みんな)
その間に円を描くように立ち、ひとりひとりの顔を見渡す。
張りつめた局面のはずなのに、誰もが不思議なほど落ち着いていた。
セナは、言葉もなく優しく微笑み、静かに頷く。
テオはいつものように肩の力を抜いた笑みを浮かべ、軽く手を振った。
ルイは片目を閉じて、いたずらっぽくウィンクする。
レオはニコッと明るく笑い、元気よく大きく手を振った。
ユウリもまた、すべてを包み込むような穏やかな微笑みを向ける。
アリスは短く、けれど確かな意思をこめて頷いた。
レイさんは一歩引き、丁寧にお辞儀をする。
アレンとロベルトは並んで、力強く、迷いのない頷きを返した。
そして――
隣に立つディランを見る。
彼は何も言わず、
優しく、それでいて確かな強さを宿した微笑みを向けていた。
そして私は見据える。
恐怖ではない。
孤独でもない。
暴走する魔力の中心。
光と闇が渦巻くその場所に立つ私の瞳は――
ただ、まっすぐに。
「トワ……」
胸の奥に残る、確かな温もり。
「あなたが繋いだこの世界――」
剣が、淡く輝き始める。
「今度は、私たちが守る」
共鳴が、静かに――
しかし確かに、始まった。
「王国騎士団、左右から包囲!」
号令が飛ぶ。
剣と魔法が交差し、火花と衝撃波が戦場を揺らす。
暴走するガイルの斬撃を、騎士たちは必死に受け止め続けていた。
だが――
「押し切れない!」
「魔力が……再生している……!」
どれほど斬り伏せても、黒い魔力はすぐに形を取り戻す。
ガイルが咆哮した。
理性の欠片もない叫びとともに、無差別な斬撃が四方へ放たれる。
トワの淡い光が必死に引き寄せているが――
それだけでは、足りなかった。
その中心から、私は一歩、前へ踏み出す。
「……みんな、聞いて」
不思議と、その声は戦場の喧騒を越えて届いた。
「このままじゃ、誰かが倒れる」
揺るがぬ視線で、仲間たちを見渡す。
「だから――中央へ」
胸に手を当て、静かに息を整える。
「私の剣で、打ち砕く」
そして、はっきりと言い切った。
「そのために……みんな、私に力を貸して」
「共鳴する!」
一瞬の沈黙。
だが、迷いはなかった。
「わかった」
ディランが、即座に応える。
「はい、お嬢様」
セナが静かに魔力を整える。
「おし、やろうぜ!」
レオが剣を握り直す。
「今度は一人でやらせないからね」
テオが並ぶ。
「そうよ。私たちも支えるわ」
ルイも笑う。
「やりましょう」
レイが一歩前へ。
「お嬢様、最後までお供します」
ユウリが深く一礼し、
「……わたしもです」
アリスが小さく、けれど確かな声で続いた。
「俺たちも」
「はい!」
ロベルトとアレンも続く。
彼らは自然と、私のもとへ集まってきた。
すると
「第一騎士団、前へ!」
アドルフの声が戦場を貫いた。
「陣を展開。負傷者は後方へ!」
号令と同時に騎士たちが動く。
剣と盾が打ち鳴らされ、結界が展開された。
「王国騎士団!」
別方向から、鋭い声が重なる。
「殿下方を中心に防衛線を構築!
一歩も近づけるな!」
「了解!!」
地鳴りのような返答が響く。
混沌としていた戦場に、
人の意志が、秩序を取り戻していく。
「ティアナを守れ!」
その声に、思わず顔を上げた。
一瞬だけ、父と視線が交わる。
そこにあったのは、
叱責でも迷いでもない――信頼だった。
「……全員、命を賭して守れ!」
騎士たちが前へ出る。
鋼が壁となり、
魔法が天蓋のように広がった
(…ありがとう みんな)
その間に円を描くように立ち、ひとりひとりの顔を見渡す。
張りつめた局面のはずなのに、誰もが不思議なほど落ち着いていた。
セナは、言葉もなく優しく微笑み、静かに頷く。
テオはいつものように肩の力を抜いた笑みを浮かべ、軽く手を振った。
ルイは片目を閉じて、いたずらっぽくウィンクする。
レオはニコッと明るく笑い、元気よく大きく手を振った。
ユウリもまた、すべてを包み込むような穏やかな微笑みを向ける。
アリスは短く、けれど確かな意思をこめて頷いた。
レイさんは一歩引き、丁寧にお辞儀をする。
アレンとロベルトは並んで、力強く、迷いのない頷きを返した。
そして――
隣に立つディランを見る。
彼は何も言わず、
優しく、それでいて確かな強さを宿した微笑みを向けていた。
そして私は見据える。
恐怖ではない。
孤独でもない。
暴走する魔力の中心。
光と闇が渦巻くその場所に立つ私の瞳は――
ただ、まっすぐに。
「トワ……」
胸の奥に残る、確かな温もり。
「あなたが繋いだこの世界――」
剣が、淡く輝き始める。
「今度は、私たちが守る」
共鳴が、静かに――
しかし確かに、始まった。
