作戦当日。
私は、ルイに仕立ててもらった長袖のロングドレスに身を包んでいた。
「動きにくくはありませんか?」
背後から、アリスの声がする。
彼女は慣れた手つきで私の髪をまとめていく。
いつも通り、丁寧で、綺麗に。
「大丈夫。完璧よ」
最後に髪留めを留めると、アリスは一歩下がった。
「……お嬢様。どうか、お気をつけて」
私は思わずアリスに抱きついた。
一瞬驚いたあと、彼女はそっと腕を回してくれる。
「アリスもありがとうね。一緒に来てくれて…」
「もちろんです。裏方ですが少しぐらいお役に立ちます」
笑顔で頷くと、アリスは少しだけ目を伏せて、微笑んだ。
*
研究施設の前に到着した。
空はどんよりと暗く、重たい雲が垂れ込めている。
まるで、この場所そのものが拒絶しているかのようだ。
私は、そっとディランの手を取った。
「……怖いかい?」
「いえ」
一瞬、言葉を探す。
「少し、震えている気もするけど、…」
ディランが、心配そうにこちらを見る。
「これは、武者震いです」
「それは頼もしい」
彼は小さく笑い、私の手を強く握り返した。
「必ず、ガイルの悪を白日の下に晒そう」
「もちろんです」
覚悟を胸に、私たちは正面入口へと歩き出す。
名目上は、研究所の見学。
門をくぐった途端、職員たちの間にざわめきが走った。
明らかに、慌てている。
だが――
この国の第一王子を、無下に扱えるはずもない。
表向きは取り繕った笑顔のまま、
私たちはあっさりと中へ通された。
「……案外、すんなり通してくれるんですね」
小声でそう言うと、ディランは視線を前に向けたまま答える。
「それはそうさ」
そして、低く囁く。
「相手の目的は、君だ」
胸の奥が、ひやりと冷える。
「だから――」
ディランは、私の手を離さなかった。
「絶対に、私から離れないで」
「……はい」
頷いた瞬間。
研究所の奥、見えない場所で――
何かが、静かにこちらを見据えた気がした
私は、ルイに仕立ててもらった長袖のロングドレスに身を包んでいた。
「動きにくくはありませんか?」
背後から、アリスの声がする。
彼女は慣れた手つきで私の髪をまとめていく。
いつも通り、丁寧で、綺麗に。
「大丈夫。完璧よ」
最後に髪留めを留めると、アリスは一歩下がった。
「……お嬢様。どうか、お気をつけて」
私は思わずアリスに抱きついた。
一瞬驚いたあと、彼女はそっと腕を回してくれる。
「アリスもありがとうね。一緒に来てくれて…」
「もちろんです。裏方ですが少しぐらいお役に立ちます」
笑顔で頷くと、アリスは少しだけ目を伏せて、微笑んだ。
*
研究施設の前に到着した。
空はどんよりと暗く、重たい雲が垂れ込めている。
まるで、この場所そのものが拒絶しているかのようだ。
私は、そっとディランの手を取った。
「……怖いかい?」
「いえ」
一瞬、言葉を探す。
「少し、震えている気もするけど、…」
ディランが、心配そうにこちらを見る。
「これは、武者震いです」
「それは頼もしい」
彼は小さく笑い、私の手を強く握り返した。
「必ず、ガイルの悪を白日の下に晒そう」
「もちろんです」
覚悟を胸に、私たちは正面入口へと歩き出す。
名目上は、研究所の見学。
門をくぐった途端、職員たちの間にざわめきが走った。
明らかに、慌てている。
だが――
この国の第一王子を、無下に扱えるはずもない。
表向きは取り繕った笑顔のまま、
私たちはあっさりと中へ通された。
「……案外、すんなり通してくれるんですね」
小声でそう言うと、ディランは視線を前に向けたまま答える。
「それはそうさ」
そして、低く囁く。
「相手の目的は、君だ」
胸の奥が、ひやりと冷える。
「だから――」
ディランは、私の手を離さなかった。
「絶対に、私から離れないで」
「……はい」
頷いた瞬間。
研究所の奥、見えない場所で――
何かが、静かにこちらを見据えた気がした
