廊下を進んでいると――
「……あ」
聞き覚えのある声がして、角の向こうから人影が現れた。
「お嬢さん!」
次の瞬間。
どさどさっ!
レオの腕に抱えられていた袋が破れ、
中から大量のジャガイモが床を転がった。
「うわっ、あっ、ちょっ――」
ごろごろと転がるそれらを完全に無視して、
レオは私を見つめる。
目を大きく見開いたまま、息を詰めて――
「……起きたんですね」
震えた声。
「ほんと……ほんとによかった……」
そう言ったきり、言葉が詰まる。
次の瞬間、勢いよく距離を詰めてきた。
「だ、抱きしめていいですか!?
いいですよね!? 今しかないですよね!?」
「え、ちょ――」
「うん」
私がそう答えると、
その背後でユウリとディランが、ほぼ同時に一歩下がった。
まるで示し合わせたかのように。
次の瞬間――
ぎゅっ!!!
大きな腕に包み込まれ、視界が一気に布地で塞がれる。
「本当……よかったよぉ……!」
レオの声は完全に泣いていた。
「目ぇ覚まさないって聞いて……
俺、料理しながらずっと祈ってたんですよ……!」
背中をぽんぽんと叩きながら、私は少し息苦しそうに言う。
「れ、レオ……ちょっと、近い……」
「生きててよかったぁぁ……!」
そのときだった。
「……あ、レオさんジャガイモ落ちてますよー」
少し間の抜けた声が、遠くから聞こえてくる。
廊下の角からアレンとロベルトが顔を出していた。
床一面に転がる芋を見て、
「うわ……派手にいったな!」
「これはあとで回収ですね」
なんて言いながら――
次の瞬間。
2人の視線が、私に向いた。
ぴたり。
動きが止まる。
じっと、じっと。
「……」
「……」
明らかに、様子がおかしい。
落ち着きなく視線を彷徨わせ、
腕を組んだり伸ばしたり、そわそわし始める。
「……な、なぁアレン」
「は、はい!」
「言っていいと思うか?」
「……今しかない気がします!」
2人して、ぐっと拳を握った。
そして――
「あの!!」
「お嬢様!!」
同時に声が上がる。
「俺たちも……」
「抱きしめてもいいですか!?」
勢いに押されて一瞬目を瞬かせたあと、
「……うん」
そう答えた瞬間。
「わぁっ!」
「失礼します!!」
左右から――
ぎゅっ!!
レオとはまた違う、
少し控えめで、でも全力の抱擁。
「よかったです……!」
「本当に……目を覚ましてくださって……!」
震える声が、耳元で重なる。
三方向からの温もりに包まれて、
「……ちょっと、くすぐったい……」
思わずそう呟くと、
「す、すみません!」
「力入れすぎました!?」
慌てて緩む腕。
でも誰も、完全には離れない。
少しだけ距離を残して、
確かめるように、まだ近くにいる。
「……あ」
聞き覚えのある声がして、角の向こうから人影が現れた。
「お嬢さん!」
次の瞬間。
どさどさっ!
レオの腕に抱えられていた袋が破れ、
中から大量のジャガイモが床を転がった。
「うわっ、あっ、ちょっ――」
ごろごろと転がるそれらを完全に無視して、
レオは私を見つめる。
目を大きく見開いたまま、息を詰めて――
「……起きたんですね」
震えた声。
「ほんと……ほんとによかった……」
そう言ったきり、言葉が詰まる。
次の瞬間、勢いよく距離を詰めてきた。
「だ、抱きしめていいですか!?
いいですよね!? 今しかないですよね!?」
「え、ちょ――」
「うん」
私がそう答えると、
その背後でユウリとディランが、ほぼ同時に一歩下がった。
まるで示し合わせたかのように。
次の瞬間――
ぎゅっ!!!
大きな腕に包み込まれ、視界が一気に布地で塞がれる。
「本当……よかったよぉ……!」
レオの声は完全に泣いていた。
「目ぇ覚まさないって聞いて……
俺、料理しながらずっと祈ってたんですよ……!」
背中をぽんぽんと叩きながら、私は少し息苦しそうに言う。
「れ、レオ……ちょっと、近い……」
「生きててよかったぁぁ……!」
そのときだった。
「……あ、レオさんジャガイモ落ちてますよー」
少し間の抜けた声が、遠くから聞こえてくる。
廊下の角からアレンとロベルトが顔を出していた。
床一面に転がる芋を見て、
「うわ……派手にいったな!」
「これはあとで回収ですね」
なんて言いながら――
次の瞬間。
2人の視線が、私に向いた。
ぴたり。
動きが止まる。
じっと、じっと。
「……」
「……」
明らかに、様子がおかしい。
落ち着きなく視線を彷徨わせ、
腕を組んだり伸ばしたり、そわそわし始める。
「……な、なぁアレン」
「は、はい!」
「言っていいと思うか?」
「……今しかない気がします!」
2人して、ぐっと拳を握った。
そして――
「あの!!」
「お嬢様!!」
同時に声が上がる。
「俺たちも……」
「抱きしめてもいいですか!?」
勢いに押されて一瞬目を瞬かせたあと、
「……うん」
そう答えた瞬間。
「わぁっ!」
「失礼します!!」
左右から――
ぎゅっ!!
レオとはまた違う、
少し控えめで、でも全力の抱擁。
「よかったです……!」
「本当に……目を覚ましてくださって……!」
震える声が、耳元で重なる。
三方向からの温もりに包まれて、
「……ちょっと、くすぐったい……」
思わずそう呟くと、
「す、すみません!」
「力入れすぎました!?」
慌てて緩む腕。
でも誰も、完全には離れない。
少しだけ距離を残して、
確かめるように、まだ近くにいる。
