「はあ、……あ、……」
一気に空気を吸い込む。
(し、死ぬかと思った……)
喉がひりつき、胸が痛い。
それでも、ちゃんと息ができている。
顔を上げると、
マルクとナナ嬢も同時に大きく息を吸っていた。
――よかった。
2人とも、無事だ。
「ティアナ、よくやった」
ディランがそう言って微笑み、
私の腕を掴んでボートへ引き上げてくれる。
その動きは慎重で、無駄がない。
次にナナ嬢、
そして最後に、ずぶ濡れのマルクも引き上げられた。
「げほっ、ごほっ……!」
「ナナ、大丈夫か!?」
マルクが慌てて彼女の背をさする。
「え、ええ……大丈夫……」
ナナ嬢はそう答えながらも、
まだ少し息が苦しそうだ。
「……ありがとう」
小さく、でもはっきりとした声。
その視線が、私に向けられる。
湖面は静まり返り、
さっきまでの禍々しさが嘘のようだった。
ボートの上には、
安堵と疲労と、まだ言葉にできない感情が混じった
重たい沈黙が落ちる。
私は濡れた前髪をかき上げながら、
小さく息を整えた。
ボートを静かに岸によせる。
降りた瞬間だった。
ディランが何も言わず、
さっと私の肩に上着をかけようとする。
……けれど。
「だ、大丈夫です」
思わず一歩下がり、手で制した。
一瞬だけ、ディランの動きが止まる。
視線が合い、
彼はすぐに状況を理解したように、ふっと小さく息を吐いた。
「……そう」
それ以上、何も言わない。
ディランはそのまま向きを変え、
今度はナナ嬢の肩にそっと上着をかけ直した。
「まだ冷える。無理はしないで」
「……ありがとうございます」
ナナ嬢は驚いたように目を瞬かせ、
それから静かに頷いた。
「…とりあえず」
ナナ嬢が、まだ少しかすれた声で口を開いた。
「この近くに、私の別荘がありますの。
服も乾かせますし、休める部屋もありますわ」
一瞬、全員が顔を見合わせる。
確かにこのままでは、ずぶ濡れで大変だ。
「それがいい」
ディランが即座に頷いた。
「……そうだな」
マルクも珍しく素直に同意する。
ナナ嬢の肩にかけていた上着を、そっと直した。
私も小さく頷いた。
「助かります」
ナナ嬢はほっとしたように微笑む。
「では、決まりですわね」
一気に空気を吸い込む。
(し、死ぬかと思った……)
喉がひりつき、胸が痛い。
それでも、ちゃんと息ができている。
顔を上げると、
マルクとナナ嬢も同時に大きく息を吸っていた。
――よかった。
2人とも、無事だ。
「ティアナ、よくやった」
ディランがそう言って微笑み、
私の腕を掴んでボートへ引き上げてくれる。
その動きは慎重で、無駄がない。
次にナナ嬢、
そして最後に、ずぶ濡れのマルクも引き上げられた。
「げほっ、ごほっ……!」
「ナナ、大丈夫か!?」
マルクが慌てて彼女の背をさする。
「え、ええ……大丈夫……」
ナナ嬢はそう答えながらも、
まだ少し息が苦しそうだ。
「……ありがとう」
小さく、でもはっきりとした声。
その視線が、私に向けられる。
湖面は静まり返り、
さっきまでの禍々しさが嘘のようだった。
ボートの上には、
安堵と疲労と、まだ言葉にできない感情が混じった
重たい沈黙が落ちる。
私は濡れた前髪をかき上げながら、
小さく息を整えた。
ボートを静かに岸によせる。
降りた瞬間だった。
ディランが何も言わず、
さっと私の肩に上着をかけようとする。
……けれど。
「だ、大丈夫です」
思わず一歩下がり、手で制した。
一瞬だけ、ディランの動きが止まる。
視線が合い、
彼はすぐに状況を理解したように、ふっと小さく息を吐いた。
「……そう」
それ以上、何も言わない。
ディランはそのまま向きを変え、
今度はナナ嬢の肩にそっと上着をかけ直した。
「まだ冷える。無理はしないで」
「……ありがとうございます」
ナナ嬢は驚いたように目を瞬かせ、
それから静かに頷いた。
「…とりあえず」
ナナ嬢が、まだ少しかすれた声で口を開いた。
「この近くに、私の別荘がありますの。
服も乾かせますし、休める部屋もありますわ」
一瞬、全員が顔を見合わせる。
確かにこのままでは、ずぶ濡れで大変だ。
「それがいい」
ディランが即座に頷いた。
「……そうだな」
マルクも珍しく素直に同意する。
ナナ嬢の肩にかけていた上着を、そっと直した。
私も小さく頷いた。
「助かります」
ナナ嬢はほっとしたように微笑む。
「では、決まりですわね」
