夜明けが世界を染めるころ

「さて、君の話も聞かせてくれるかい」

わざと明るいトーンで言うディランに私は少し息を整えて、自分の過去を語り始めた。
幼い頃の苦い思い出、失敗して泣いた夜、でも笑顔で乗り越えた日々。

「それから、ユウリとは本当にたくさんの時間を一緒に過ごしたの」
私は笑みを浮かべる。
「困った顔をして、でもいつも私を支えてくれる人で……なんだか、兄のようでもあり、友達のようでもあり……不思議な存在なの」

ディランはゆっくり頷き、目を細めて笑う。
「ユウリは君にとって、かけがえのない人なんだね」
「ええ、そうです」

次に、セナのことも話す。
「セナは昔はやんちゃで、今みたいに冷静でクールじゃなかったの。
幼い頃にした“騎士になる”という約束を叶えてくれて、そばにいてくれる。頼もしいんだ」

「そうだね、セナは良い騎士だ。私も敵にしたくない男だな」

ディランが腕を組む。

「テオは、初めて会ったとき警戒心が強くて、みんなに威嚇してたな。でも本当は優しい子なの」

「いまも私に威嚇してるもんね」
ディランが笑う。

そして、レオとルイのこと。
「レオは……歳上なのに子供みたいに明るくて楽しいの。
元騎士団員で、戦いのときには絶対に頼りになる。いまは料理人として、美味しいご飯もたくさん作ってくれる」

「ルイは元紫統タンザナイト伯爵家の騎士団員で、とても強いの。
美的センスがあって、ドレスや服のこだわりもすごいけれど、気配り上手で心の支えにもなってくれる」

ディランは静かに頷き、目を輝かせて言った。
「君はよく仲間のことを見ているんだな。彼らの強さも、優しさも、すべて分かっている」

「そして……トワやアリス、ロベルトやアレンも、みんなそれぞれの役割を持って私を支えてくれている。戦いの時だけじゃなく、日常の中でも」
私は小さく笑った。
「だから、私は一人じゃないって思える。どんな困難でも、立ち向かえる気がする」

ディランは少し驚いた表情を見せ、やがて優しく微笑む。
「ティアナ……君はただ強いだけじゃない。仲間を見つめる目も、心を預ける力もある。そして、その力が、みんなに勇気を与えているんだ」

胸の奥が熱くなる。
私は彼の言葉をしっかり受け止める。
その夜、私たちは笑いながら、語りながら、少しずつお互いに触れた。
静かで、穏やかで、そしてほんの少しだけ甘い時間――