夜明けが世界を染めるころ

回想から意識が戻る。

ふと顔を上げると、
隣に座るトワと目が合った。

「……お姉様」

その呼び方は、もう迷いのないものだった。

私は小さく微笑み返す。

どうか――
この穏やかなひとときが、少しでも長く続きますように。

私の大切な人たちが、
誰一人欠けることなく、幸せでありますように。

けれど同時に、胸の奥で静かに理解していた。

この温もりを守るためには、
いつか――選ばなければならない時が来るのだと。

私はそっと、覚悟を胸に抱いた。