夜明けが世界を染めるころ

ガタガタドッターン!

「ちょ、何事!?」

テオが腕を引いて私を起こし、そちらを見る。

「テオ!! お嬢様からさっさと離れろ!」

セナが、すごい剣幕で飛び込んできた。

「あれ、扉壊れちゃったけど、今回は俺じゃないよね!?」

レオも慌てて入ってくる。

「俺たちはさっさと退散するぞ、アレン」
「は、はい! 失礼しました!!」

アレンとロベルト……か。
待って、見られた!?
うそだー、恥ずかしい!

「うわ、覗き見とか趣味悪いですよー」

テオはすっかり元気そうだ。

「お前さっき、お嬢様になにした!? 表でろ!」

「内緒! ねー、お嬢さまぁ」

テオが意味深に微笑み、人差し指で「しーっ」とする。
やめんかい! 誤解を生むだろう!

そしてテオは、窓から颯爽と抜け出した。
……ここ、3階なんだけどな。

上手に木に捕まり、地面に降りていく。
それをセナが慌てて追いかける。

「ちょっと! サンドイッチは!?」

せっかく作ったのに!

「セナ副団長、まいたら食べるよー」

「おい、ふざけるな! もう1回勝負だ」

珍しく、セナが感情を表に出して怒っている。

「俺も退散しますね。扉、今回は俺じゃないですからね!」

そう言って、レオも足早に去っていった。

「お嬢様、キスでもされました?」

後から入ってきたユウリに聞かれ、顔がみるみる赤くなるのがわかる。

「……されたんですね」

「いや、あの。お、おでこだからぁー!」

「ちょっと、その色ガキに一発かましてきます」

ユウリの目が本気で光っている。

「ちょ、いいからぁー!」

裾をグイグイっと引っ張って阻止する。

まだ幼かったと思っていたテオが、立派な男性になっていたことを実感する。
それでも、やっぱり胸はドキドキする。

……それより、扉、また直さなきゃ。