夜明けが世界を染めるころ

どのくらいたっただろう、鎖に繋がれて縛られて動けない。
お腹空いた、寒い。
だけど、全部どうだっていい、ここで死ねるなら。




「うわ。セナ中々臭うね」

「お嬢様死体がありますから、気をつけてください」

誰か来たのか。
まあ、俺には関係ない。

「おーい、生きてる?」

近くで話しかけてきた…女か。
うっすら目を開ける。
子供じゃないか。

「お嬢様あまり近寄らないでください、彼は″血に飢えた黒狼″と呼ばれる少年かと思います」


「そっか、あの人数を1人でやったのかな」

「そのようですね。すべてナイフで正確に仕留めてます」

「ふーん。ここがこの数年で規模を拡大した野盗グループか。
残りの残党は、第1騎士団がどうにかするよね」

「大丈夫でしょう。お嬢様の計算通りに川を下って逃げたはずです、そうすれば確実に第1騎士団が捕えるでしょう」

何なんだこの子供は。
綺麗なドレスを着たやつが来るところじゃないだろ。



「ねぇ、貴方どうしたい?生きたい?」

俺に話しかけてるのか頭のおかしいやつだな。


「おーい」
そう言うと俺の前髪を触ってきた、目が合う。
この赤い瞳をみれば気味悪がって帰るだろ。


「わぁー赤い瞳。ルビーみたいで綺麗だね」

「は?」
予想外の言葉に思わず声が出た。
この目をみて、そんな事言ったやつなんて誰1人いない。頭がおかしいのか。

「なんだ生きてるじゃん」

…なんだこいつ。
俺にさらに近づき、視線を合わせる。


「ねぇ、どうしたい?生きたい?」

答えるまで聞くのか、クソだるい。

「どうでもいい」

「ふーん、そう。ならいいや」
立ち上がりドレスの裾を叩く。



「ここでボロ雑巾のように誰からも必要とされずに死ぬのね。
ほんと惨めね」

鼻で笑う少女。
むかつく。なんなんだよ。
何も知らないくせに。
はじめからなんでも持っているやつにわからない
気づけば体が動き縛られていた鎖を引きちぎり少女に掴みかかろうとしたが、手は届かなかった。