泣き虫サンタクロースの恋

「な、なに?」

「久しぶりに菜緒の泣き顔みて、お前が泣き虫だったの思い出した。小学校の九九で俺の方が先に覚えたときとか、漢字テストで俺のがいい点取ったときとか、俺に負ける度にお前泣いてたよな」

「……」

「……菜緒? おーい、菜緒さーん?」

黙り込んだ私の肩を掴んで離す。

心配そうに覗き込んでくる拓斗を、私は恨めし気に睨みつけた。

「ねぇ……、それ、今言う……?」

(仮にも好きな相手が泣いてるっていうのに!)

相変わらずのデリカシーのなさに涙は引っ込んだし、ムードが台無しだ。

「お、泣き止んだ」

「泣き止むでしょう!」

「ごめんって。……お前に泣かれると、俺どうしたらいいかわかんなくなるからさ。それに、好きな子には笑っててほしいし」

「うぅ……っ」

(また好きな子って言った!)

嬉しさと恥ずかしさのダブルパンチが私をノックアウトする。

むず痒さに慣れていない私は、耐えきれずに両手で顔を覆った。

「菜緒、顔見せてよ」

「無理、恥ずか死ぬ」

イヤイヤしてるのに。

「菜緒の顔、見たい」