妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜

私たちは街へと繰り出す。
 四人で空の街の中心にある噴水までたどり着き、どこへ行こうかと皆で相談していた時、セファーさんが声を上げた。

「ねえ、ノア。僕と二人で遊びに行こうよ!」

 そう言われたノアは最初目をぱちくりとさせたが、セファーさんを見て何か思うところがあったらしい。私たちを一瞥した後、目を輝かせて話した。
 
「え、セファー良いの?」
「いいさいいさ! 僕もこの街については詳しいから、前行ったことないところに連れていくよ!」
「やったぁ!」

 両手を挙げて喜ぶセファーを見て、私の口角はゆっくりと上がる。楽しそうな彼にほっこりと胸が温かくなっていた時、次のノアの言葉に耳を疑った。

「じゃあ、僕セファーと街をめぐるから、アダン様とエーヴァは二人で楽しんできてね!」

 ――え?二人?
 私は首を傾げる。セファーさんとノアが二人で街を探検する、ということは確かにアダン様と私は二人きりになる……ということだ。
 私が展開についていくことができずに目を白黒させていると、ノアは既にセファーさんの腕を掴んで歩き始めていた。
 二人きり、と聞いて頬が熱くなる。
 私はアダン様と二人で歩けるのは嬉しいけれど……アダン様はそう思わないのでは? それを伝えたくて口を開こうとする前に、セファーさんがこちらに手を振って笑った。

「アダンもこの街は何度も来ているから大丈夫でしょ? じゃあ、またあとでね〜!」
「あっ……」
 
 口から漏れた言葉は私だったのか、アダン様のものだったのか……どちらかはわからない。

 私たちは呆然とノアとセファーさんの背を見送ったのだった。