アダン様が私に淹れてくれたお茶は、少し酸味のあるものだった。確かにこのお茶を飲むと、身体の中から疲れが取れるような……そんな気持ちになる。
静寂が二人を包み込む。
お茶とアダン様の気遣いに心が温かくなっていると、目の前でお茶を飲んでいたアダン様が口を開いた。
「充分に助かっている。君はよくやってくれている」
その言葉に私の動きが一瞬止まる。そして信じられないものを見るような目で、私はアダン様を見ていたに違いない。
そんな私に気づいているのか、気づいていないのかは分からないが、アダン様は言葉を続ける。
「この時期、常に文官の者は緊迫感に包まれているのだが……今年は、皆に余裕があるように見えた。だから数人に何故だろうか、と訊ねてみたのだが……君のことが出てきた」
「私、ですか?」
思わず疑問の声を上げていた。私の疑問にアダン様は肯定する。
「そうだ……君はいつも笑顔で誰に対しても丁寧に接しているだろう? それが皆の心を落ち着かせてくれているそうだ」
「わ……わたしは――」
この先の言葉を流暢に紡ぐことが、今の私にはできない。
「わ、わたしは……みなさまの……助けに……なれて……いるの……ですね……うれし……い」
何故なら、言葉より前に涙と嗚咽がこぼれ始めたから。
……押さえ込んでいたはずの感情が、一気に決壊したのだ。私は生きていていい、まるでそう言われたようで。涙が後から後からこぼれ落ち、私の手の甲を濡らしていったそんな時。
静寂が二人を包み込む。
お茶とアダン様の気遣いに心が温かくなっていると、目の前でお茶を飲んでいたアダン様が口を開いた。
「充分に助かっている。君はよくやってくれている」
その言葉に私の動きが一瞬止まる。そして信じられないものを見るような目で、私はアダン様を見ていたに違いない。
そんな私に気づいているのか、気づいていないのかは分からないが、アダン様は言葉を続ける。
「この時期、常に文官の者は緊迫感に包まれているのだが……今年は、皆に余裕があるように見えた。だから数人に何故だろうか、と訊ねてみたのだが……君のことが出てきた」
「私、ですか?」
思わず疑問の声を上げていた。私の疑問にアダン様は肯定する。
「そうだ……君はいつも笑顔で誰に対しても丁寧に接しているだろう? それが皆の心を落ち着かせてくれているそうだ」
「わ……わたしは――」
この先の言葉を流暢に紡ぐことが、今の私にはできない。
「わ、わたしは……みなさまの……助けに……なれて……いるの……ですね……うれし……い」
何故なら、言葉より前に涙と嗚咽がこぼれ始めたから。
……押さえ込んでいたはずの感情が、一気に決壊したのだ。私は生きていていい、まるでそう言われたようで。涙が後から後からこぼれ落ち、私の手の甲を濡らしていったそんな時。


