妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜

「女神祭……何をするのですか?」

 王国でもお祭りはあったような気がするけれど、私は参加をしていないのでどんなものかは知らない。ただ、すごく賑やかなものだと言うのは、話を聞いて知っているが……。
 エルマーさんは少し考え込んだ。

「んー、そうだね。この街に大通りがあるだろう? 大通りの両側に街の人が小型の店を開いたりするよ。そこでは、食べ物や装飾品、おもちゃとか……色々売っているから、見るだけでも楽しいと思う。後は女神様への感謝祭だから、教会でゆっくり祈りを捧げる人も多いよ。最後には魔術花をあげるんだけど……魔術花って知ってる?」
「いえ、分からないです」
「魔術を利用して空に咲かせる花のことだよ。まあ、それは見てからのお楽しみだね!」

 エルマーさんは片目を瞑った。
 どうやら、ここで行われるお祭りも楽しいようだ。

「エーヴァちゃんもアダンと街を回ったらいいよ! 普段と違って楽しいと思うよ?」
「え、あ、はい」

 エルマーさんが多忙なのであれば、アダン様も同様なのでは……?
 そう思ったけれど、彼はそろそろ訓練に戻るようだ。手を挙げて私に背を向けていた。私も慌ててお礼を告げる。
 そんな私を見たエルマーさんは、満面の笑みを浮かべている。
 
「書類ありがとう。アダンを頼むね〜!」

 手を振りながら、部下の元へ行くエルマーさん。
 最後の言葉に首を傾げながら、私は訓練場を後にした。