男を初めて見た印象は、「背が高い」だった。
お父様よりも頭ひとつ分以上大きいその男は、陽が沈む時のような色の髪を帽子で隠している。私はお母様の隣に座り、頭のてっぺんからつま先まで視線を動かす。
そんな時、男と目が合った。男は笑っている。私に向けて微笑んでいるけれども……その笑みに圧が乗っていた。一瞬のことだったので、気のせいだったのかもしれないが。
私の心に影が落ちる。
そんな私を他所に男は自己紹介を始めた。
「初めまして、私はベレナドと申します。皆様へあるご報告のために屋敷へ向かっていたのですが……途中で事情を拝聴いたしまして。私としても、お手伝いができるのではないか、と思った次第です」
丁寧な言葉遣い。けれども、なんとなくそれがわざとらしく見えるのは気のせいだろうか。お父様はそのことに気がついていないのか、話を進めている。
「報告だと……? では、まずその報告とやらを教えてもらおう」
「はい、もちろんでございます。ではこちらをご覧ください」
その男が鞄から取り出したのは、顔より一回り小さく透明な球と台座。それを私たちの前に置く。
そして男は両目を瞑ってから、聞き取れない発音で何かを呟き始める。すると、水晶玉が光に包まれたと思ったら、すぐに水晶玉の中へと消えていく。何が起こるのだろうか、と私たちは乗り出しながら水晶玉を見ていると、先ほどよりも淡い水色の光が水晶玉を覆う。
そこに現れたのは――
「……エーヴァ……?」
誰が声を出したのか、分からない。けれども、私たちの思いはひとつだった。
――なぜ生きているの?
お父様よりも頭ひとつ分以上大きいその男は、陽が沈む時のような色の髪を帽子で隠している。私はお母様の隣に座り、頭のてっぺんからつま先まで視線を動かす。
そんな時、男と目が合った。男は笑っている。私に向けて微笑んでいるけれども……その笑みに圧が乗っていた。一瞬のことだったので、気のせいだったのかもしれないが。
私の心に影が落ちる。
そんな私を他所に男は自己紹介を始めた。
「初めまして、私はベレナドと申します。皆様へあるご報告のために屋敷へ向かっていたのですが……途中で事情を拝聴いたしまして。私としても、お手伝いができるのではないか、と思った次第です」
丁寧な言葉遣い。けれども、なんとなくそれがわざとらしく見えるのは気のせいだろうか。お父様はそのことに気がついていないのか、話を進めている。
「報告だと……? では、まずその報告とやらを教えてもらおう」
「はい、もちろんでございます。ではこちらをご覧ください」
その男が鞄から取り出したのは、顔より一回り小さく透明な球と台座。それを私たちの前に置く。
そして男は両目を瞑ってから、聞き取れない発音で何かを呟き始める。すると、水晶玉が光に包まれたと思ったら、すぐに水晶玉の中へと消えていく。何が起こるのだろうか、と私たちは乗り出しながら水晶玉を見ていると、先ほどよりも淡い水色の光が水晶玉を覆う。
そこに現れたのは――
「……エーヴァ……?」
誰が声を出したのか、分からない。けれども、私たちの思いはひとつだった。
――なぜ生きているの?


