BBQ会場に戻れば、私の席にはお皿に乗った手作りのバームクーヘンが残されていた。手作り感はあれど、ちゃんと層になっていて、ちゃんとバームクーヘンだ。
すごいなホストNo.1。女子力が高いんですけど。
でもその後のイチゴ狩りでは、七三倉晩はストーカー力を発揮していた。ストーカーかってくらい、マリア先輩につきまとっていたのだ。
「峯田さん、俺もマリア先輩って呼んでいいっすか」
「いいよーあっ!、このイチゴでかっ!」
「マリア先輩って目尻の下がり方が可愛いですね」
「えー?!わたしよくツリ目って言われるよー?」
「マリア先輩って今日の夜暇ですか?飲みに行きません?」
「いいよーってちょっと野口君!練乳足りないんだけど!!」
「成世ぇっ!マリア先輩に練乳持ってけ!」
いいよーっ、てよくないわ。
野口さんに命令されるよりも早く、私はマリア先輩に練乳一本を手渡そうとした。でも七三倉晩が、持っていた練乳を素早くマリア先輩の器にしぼり出す。
「ありがとーヴァン君!」
「マリア先輩のためなら喜んで。いつでもこのヴァンを使って下さい。」
「きゃー!!イチゴにちょうちょー!!写真撮ってー!」
練乳を持つ手に力が入る。
そんな私を見てか、七三倉晩が鼻で笑った、気がした。
もしかして、コキンちゃんよりもマリア先輩につきまとった方が私の反感を買えるとでも思ったのだろうか。
七三倉晩。キラよりも手に余る存在だ。



