「娘のことは、もう愛せないのか?」
「ッ?! とんでもない! 宇宙に立つ時よりも、今の方が結月さんを想ってます。離れたからこそ、彼女の大切さを改めて知りました」
「……では、娘と別れるために来たのではないのだな?」
「はい」
心の奥を読むような鋭い視線に、昊は嘘偽りのない想いを声にした。
「……娘なら、二階の自分の部屋にいる」
「会わせて頂けるのですか?」
「今会わないなら、二度と会わせん」
「ありがとうございます!」
「上がって、突き当りの部屋が結月の部屋よ」
「ありがとうございます、お義母さん」
昊は深々と一礼すると、父親が咳払いをした。
「次、娘を泣かせたら、宇宙に放り出すからな」
「宇宙へ発つには、莫大なお金と計画が必要です」
「そういうこと言ってるんじゃない!」
「……嬉し涙以外に、泣かせたりしません。誓います」
「その言葉、肝に銘じろよ」
「はい」
結月の母親が目配せしたのを確認し、再び昊は深々と一礼し、結月がいる二階へと駆け出した。



