「Kou, that’s the most emotional thing I’ve ever heard you say.」
(エミリー・訳:それ、感情しかないじゃない! 完全に恋してる人のセリフだよ!)
「Agreed. That’s not logic talking, that’s love.」
(マイク・訳:同感、これは理屈じゃなくて、愛がそう言わせてるよな)
マイクがにやにやしながら肘で昊をつつく。
昊は少しだけ首を傾げたまま、ぽつりと答えた。
「……So it seems.」
(昊・訳:……そうかもしれません)
マイクとエミリーは顔を見合わせて、声を潜めて笑った。
「He’s finally admitting it.」
(エミリー・訳:ちょっと~、ついに自覚した?)
「Took him long enough.」
(マイク・訳:もうとっくにバレてたけどな)
昊は二人の笑い声を背にしながら、そっと息を吐いた。
それでも、胸の奥には確かな熱が灯っていた。
昊は何も言わず、再び設計画面に視線を戻す。
リングのデータの横に、小さな文字で一言だけ書き添える。
――“君の重力に、引かれました”
その手は、ほんの少しだけ震えていた。
けれどその震えは恐れではなく、確かな決意の証だった。
宇宙には重力がない。
けれど、彼の心は確かに地球に引かれていた。
その中心には、たった一人の名前があった――。



