重力圏外のプロポーズ、軌道修正は不可能です~宇宙飛行士は恋に不器用~


 数日後、再びJSEAを訪れた結月は、昊の案内で施設内を見学していた。
 前回の訪問では緊張で周囲を見る余裕もなかったが、今日は少しだけ気持ちに余裕がある。
 それでもどこか場違いな気がして、足元がふわふわしていた。
 
 JSEAの敷地内にあるカフェテリア。
 昊の案内で施設見学を終えた結月は、ひと息つこうと席に着いていた。

「ここ、職員も使ってるんですか?」
「はい。訓練の合間に、よく利用します」
「へぇ……なんか、大学の学食みたいですね」

 そんな会話を交わしていると、一人の女性が近づいて来た。
 香織だ。

「奥様、今日はお越し頂き、ありがとうございます」

 香織がにこやかに言った後、ふと昊の方に視線を向ける。

「そう言えば、さっき、金田チーフが呼んでましたよ?」
「チーフが? ……分かりました。結月さん、少し席を外します」
「……はい」