夜風がカーテンをふわりと揺らした。
夕食を終えた後、結月は何となくベランダに出てみた。
空には幾つもの星が瞬いている。
「……きれい」
思わずつぶやいたその声に、背後から足音が近づく。
「夜風に当たるのは、体温調整に有効です」
「……フフッ、また始まった」
「……あなたが外に出たので、何かあったのかと」
「心配してくれたんですか?」
「……確認しただけです」
結月はくすっと笑った。
隣に並んだ昊の肩が、ほんの少しだけ近く感じる。
「星、好きなんですか?」
「はい。宇宙は静かで広くて、孤独です」
「……孤独、なんですか?」
「はい。誰もいない空間で音もなく、ただ漂う。でも、それが嫌いではありません」
風がふわりと吹き、結月の髪が靡く。
昊はそっと手を伸ばし、優しく髪に触れた。



