「いやいやいや、何の審査通ったんですか、私……」
「仮に“地上支援パートナー適性試験”があったとすれば、あなたは満点です」
「そんな試験、ないですよね!?」
「ないですね。ですが、あったとしても、あなたは合格です」
「……」
「さらに、あなたにとっても素晴らしい利点があります。元彼からの干渉を避けるための“偽装結婚”という形であれば、双方にとって合理的です」
「合理的って……。しかも、何で元彼のこと知ってるんですか!?」
「店内でのやり取りを見させて頂きました。あの感じだと、彼はまだ諦めておらず、あなたの元へまた来るはずです」
結月の背筋にひやりとしたものが走る。
(まさか、そんなところまでみられていたなんて……)
「……」
「もちろん、家事分担や生活費の負担割合については、契約書を作成します。私は掃除が苦手ですが、洗濯とゴミ出しは得意です。さらに、私が宇宙滞在中の生活費はJSEAが負担しますので、経済的負担は最小限に抑えられるはずです」
「……あの、もしかして、これってプロポーズですか?」
「はい、そのつもりです」
「ありえない! 結婚相手を探してるなら、カフェでナンパなんてせずに、結婚相談所に行って下さいっ!」
「……結婚相談所?」
「あと、初対面の人にいきなり結婚申し込むの、普通に怖いですから」
「……そうか」



