消毒の世界に転移しましたが、異能がないので消毒スプレーが尽きるまでワイの命を燃やします!

「イーオ、未滅菌器材の中に滅菌処理する器材が混じっていましたよ。」

 滅菌バックに包装した器材を、シーラーと呼ばれるベルトコンベアーの機械で密封する作業をしていた私は、キョトンとしてジアさんを振り向いた。

「私ですか?」

「きみ以外に誰が?」

「ですよねぇ、アハハ~。」

 ジアさんは呆れた顔で眼鏡越しにジロリと私をにらんだ。

「前にも言いましたが、仕分けの段階で滅菌物を見分ける観察眼を持たないと事故(インシデント)につながります。
 きみはこの現場に来て日が浅いのだから、自己判断せずに分からないことは聞いてください。」

 お叱り…いや、ご指摘はごもっともです。
 私はショボンとして頭を下げた。

「ハイ、よろしくお願いします。」

「ったく、エチルはどうしてこんな普通以下の人間を拾ってきたんだお!」

 舌打ちして点検の仕事に戻るジアさんの後ろ姿を、私は青ざめながら見つめた。

(ち、ちょっとジアさん!
 心の声、ダダ漏れですよッ⁉)

 ♢

 ここは私の職場である大学病院の滅菌消毒室。今日はジアさんとウルさんと私、三人の隊員が内勤だ。
 あとの二人は外回りの担当なので、寮に戻るまでは顔を合わせない。

 私を拾ってくれたエチルさん以外の隊員たちには、私は【厄介で仕事ができないお荷物見習い】だと思われているので、エチルさんが居ないと話が弾まなくて空気が悪い。

(いつかこの人たちと、楽しく仕事ができる日がくるのかな。)

 そんなことをひとりで考えていると、お昼の休憩時間もお弁当が喉を通らなかった。

 私がエチルさんに見いだされたのは、異世界転移した時にたまたま持っていた消毒スプレーで、デブリスに一撃を与えてしまったからだ。
 この世界で消毒用エタノールを生成できるのは異能者だけ。

 誤解だと知ってはいた。
 けど、右も左も分からない異世界でさ迷っていた私に、優しく差し伸べてくれたエチルさんの手に、すがりつかずにはいられなかった。

 それが有限の優しさだとは分かっていても。

(そういえばもう二回も噴射したけど、このスプレーって何回まで使えるかな?
 先端を小さいノズルにしたら、節約ができるかな??)

 ウエストバックから出したスプレーボトルの品質表示を眺めていると、突然けたたましい警報音が非常ベルから鳴り響いた。

「新人、緊急出動だ‼」

 ♢

 清浄処理部隊の緊急車両は猛スピードで街中を疾走する。

 こういうときは道路が渋滞していても、モーゼが海を開いたようにサーッと車が端に寄ってくれるので、その中を走るのはちょっと気分がいい。

 私はホログラムのナビを見ながら、助手席のジアさんに聞いた。

「こんな都会にもデブリスが出現するんですね!」

「今回はウイルスだお。だからむしろ、人が集まる場所を好む。」

「ウイルスって…まさか?」

 私はドキリとしてハンドルを握る手が震えた。

 転移する前にいたもとの世界で、私は未知のウイルスのせいで家から出られない体だったの。
 そしてこの世界でも、意思を持った細菌や未知のウイルスが猛威を奮っていて、人類を恐怖のどん底に陥れている。

 日夜、消毒班で汗水垂らして働いているけど、未だにウイルスへのトラウマは消えないみたい。

 そんな私の反応を見たジアさんが、少し口調を和らげた。

「今回暴れているのはRSウイルス。
 ごく一般的なウイルスだけど、初感染の人は重症になりやすいので侮れない。」

 それを聞いた私は少しホッとしたけど、ひとつの不安が生まれた。

(ウイルスにはエタノールって効くんだっけ?)

 ♢

 到着した現場は小さな認可保育園で、保育士さんたちが小さな幼児を体育館に集めて緊急避難をしていた。

「園庭で子供たちを遊ばせていたら、ウイルスが現れたんです!
 すぐに第壱部隊の方が来てくれたので、全員が手洗いとうがいを済ませて避難できました。」

 さすが先生。手洗い・うがいは衛生の基本。
 一次予防もバッチリね!

「それでは一応、消毒もしましょうね。」

 私は消毒スプレーを子供たちの小さな手に順に吹きかけた。

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 キラッキラの瞳で私にお礼を言う子供たちに、感動で胸がアツクなる。
 普段は怒られてばかりの私でも、人の役に立てるんだ!

 マスクを子供たちに配り終えたジアさんが、ほっこりしている私の肩を軽く叩いた。

「新人、園庭に行きますよ。」

 ♢

「弱アルカリ性洗剤にトリプル酵素を配合!」

 園庭では、まさに洗浄班の隊長・コウソがウイルスとの死闘を繰り広げていた。
 初めて見る戦いに、私は目が離せなかった。

 コウソの身体は仄青く光り、大きな魔法陣が出現した。

「50倍希釈で浸漬するぞ、コノヤロー!」

 コウソが大声で叫ぶと魔法陣から濁流が流れて、既存ウイルスの頭まですっぽりと覆いつくすまでには数分もかからなかった。
 まるで見えない透明な水槽があるかのように、ウイルスは宙に浮かんだ浸漬槽で溺れそうになっていた。

『ア・チ・チッ!』

 ウイルスが喋った⁉
 私はデブリスに引き続き、ウイルスも喋れることに興奮してジアさんに話しかけた。

「いま、ウイルスが『アチチ』って言いましたね!
 しかも、汚れのデブリスよりも流暢です‼」

「何言ってるの? ウイルスが喋れるわけないじゃないですか。」

(ん? 今のは空耳⁉)

 私は耳の穴を指でグリグリとほじった。

「苦しそうだね。
 でも、40℃前後はアタイの洗浄力を一番引き出す温度なのさ。」 

『ヘブッ!』

 たまらず水面に顔を出したウイルスの頭を、紫の医療グローブをはいたコウソが頭上まで飛びあがり、力任せに水中に押し戻した。

「あと15分ほど浸かっておくれ!」

 ウイルスは力が抜けて浸漬槽に沈んでいく。 

『クソ、このままでは…!』 

 するとウイルスの身体がみるみるうちに小さくなり、あどけない少女のような姿になった。

『洗浄班め! いつも我らの邪魔をしやがって!』

 ウイルスの少女が目を閉じて思念を送ると、魔法陣が割れて宙に浮いていた水も弾け散った。
 園庭に青い色の洗浄液が降り注ぎ、その中心に立つ少女は高笑いをしている。

 わ、強い!
 しかもこのウイルス、デブリスの時よりも流暢に人語を喋ってるように聞こえるけど、やっぱり私にしか聞こえていないの?

『だが、この程度で我を消し去ることなどできぬわ!』

 高笑いが響く中、コウソが不満げに眉をひそめた。

「しぶとい!」

 コウソが手を上げると、ドローンタイプの通信機が現れた。

「弐番隊、応援願います!」

 私の隣にいたジアさんがやはり同じタイプの通信機に話しかけた。

「こちら弐番隊。ジアが待機中、ドーゾ。」

「中レベルのウイルスの発見&洗浄完了。
 エンベロープがある既存タイプだからエタノールでも消毒可能だと思うけど、新型の可能性もあるから気をつけて対応されたし!
 あと今回は、ヤツが張り付いているRMD(再生使用可能医療機器)は高級品です。
 壊さないように丁寧な作業をしてくれっていうのが、上からの指令だ。」

「了解だお!」

 耳障りな電子音を響かせて空高く飛びあがったドローンを見送ったジアさんに、私は薄ら笑いを浮かべながら聞いてみた。

「あの、視界に見える距離にいるのになぜ通信機を使うんですか?
 直接話した方が早いのでは…?」

 するとジアさんはすごく冷たい目で私をにらんだ。

「飛沫感染を防ぐためです。基本だお。」

 チーン。
 ですよねぇ。

 ジアさんは薄い水色の防護服を翻しながら園庭に降り立った。

「第弐部隊消毒班、ジア・ナトリーム参上だお!」

 ジアさんはその場に跪き、片手を地面の上に置いた。

「次亜塩素酸ナトリウム0.05%を希釈!」

 すると地面に雨上がりのような不気味な赤い水たまりができたの。

(え、水たまりって…これがジアさんの異能なの⁉)

 私は赤い水たまりをたくさん作るジアさんを、ただ見守ることしかできなかった。

(この水たまりとウイルスの消毒と、何の関係があるの?)

 まもなく向こうから走ってきたウイルスの少女が、ジアさんを見て立ち止まった。

『クッ、次々と…今度は弐番隊のおでましか。』 

「お嬢さん、僕と遊びませんか?」

 ウイルスを誘うように右手を伸ばし、余裕を見せつけるジアさん。
 それを見て、ニイッと不敵に微笑んだ少女は、黒い闇を背負いあっという間に三人に分裂した。

『これでも、アタシと遊びたいの?』



 三人に増えたウイルスたちを順番に射抜いたジアさんは、眼鏡の奥の目を細めて、不敵に笑った。

「消毒班ごときじゃウイルスは清浄できないと思っているようですね。」

『消毒班ごときにウイルスは清浄できな…。』

『な! コイツ、思っていたことを当てたぞ⁉』

『まさか、偶然だろう。
 それにしても、この辺りはやけに塩素クサくないか?』

 三人のウイルスたちは鼻をひくつかせて怪訝な顔を見合わせた。

(クンクン、私もさっきからそう思っていたのよ。
 でも、どこからこのニオイが?)

『この男、危険なニオイがする。』

『早く始末するよ!』

 その言葉を皮切りに、ウイルスたちはニィッと不気味にほくそ笑んだ。

「三方向から飛びかかれば防げはしないと思っている。」

『三方向から飛びかかれば…ッ⁉』

 一言一句違わない言葉を、ウイルスたちとジアさんが叫んだのは同時だった。
 私は目を丸くして驚いた。

「ジアさん、今ウイルスと同じことを喋りましたよ!」

「僕はエンパスなだけ。人の顔色や声音で未来予測をしているだけだお。
 ていうかきみ、本当にウイルスの声が聴けるの?」

 私以上に面食らった様子のウイルスたちは、飛びかかる機会を失って混乱している。
 そりゃ自分の気持ちを言い当てられたら驚くよね!

『こ・っ・ち・だ・!』

 目が合った瞬間、ウイルスたちの一人が瞬足で私の背後に回って腕を羽交い絞めにしたのよ。
 そして、あとの二人が長い針のついた注射器を、左右から首筋の動脈に当てて尻上がりの口笛を吹いた。

(ヤバッ! ヘタこいた!!)

『さあ、どうする?』

 こうなると、ウエストバックの中の消毒スプレーは全く役に立たないし、私は無能な人質に成り下がる他ない。
 わーん、異能じゃなくてごめんなさい!

『いいか、一歩も動かずに足もとに武器を捨てろ。』

「ジ、ジアさ~ん、こいつら武器を捨てろと言っています!」

 私は上ずった声でジアさんに話しかけた。
 助かりたいというよりも、ウイルスの声は私だけにしか聞こえないから、せめて通訳をしようと思ったのよ。

「足を引っ張るなと言ったはずだが?」

 私をにらむ目に力をこめて、ジアさんがドスの効いた声を出した。

「不可抗力ですぅ~!」

「チッ。」

 泣きそうな目で訴えると、ジアさんが舌打ちをした。
 それから隠し持っていたメスを足もとに投げ出したのよ。

(え、ウソでしょ!
 ジアさんが私のために!?)

「ジアさん、ごめんなさい。」

 ジアさんは目を細めてから、手の平をこちらに見せるように高く上げた。

「これで満足ですか?」

 ウイルスたちは舌なめずりをして、裂けた赤い口から鋭い牙を剥きだした。

『二人同時に喰って、腹いっぱいにナル!』

 ひどい! ハナシにならない!!
 私もジアさんも食べられちゃうッ!!

「ジアさん、逃げてください!」

 私の通訳も虚しく、涎をまき散らしたウイルスたちがジアさんに飛びかかった!
 絶体絶命のピンチなのに、ジアさんは悪い顔をして言い放った。

「そうそうみなさん、言い忘れていました。
 僕の周りを歩く時には気をつけてくださいね。」

 ジアさんに襲いかかる寸前、ウイルスたちはなぜか同時にピタリと動きを止めたの。
 
「もう、遅いか。」

 ウイルスたちは足が溶けて、膝からその場に崩れ落ちた。

『ギャン! 私の足がぁ‼』

『この水たまり、ただの水じゃないぞ!』

『痛てててッ!』

「だから言ったのに。
 さっき、そこら中に次亜塩素酸ナトリウム0.05%を撒いておいたんです。」

『なにィ⁉』

 足が溶けていくウイルスたちはその場に足止めされた。
 ジアさんの眼鏡が光り、両手の間に光る水の塊が出現した。

「追加だお!
 次亜塩素酸ナトリウム0.15%を希釈!」

 その水の塊を動けないウイルスたちの足もとに投げ入れると、ウイルスは光とともに一個体に戻って断末魔の叫び声を上げた。

『ギャアアアア‼』

 ウイルスの体はみるみるうちに小さくなり、最終的には種になった。
 ウイルスとウイルスが貼り付いていたプラスチックの医療器材は、水たまりの上に飛沫を上げて落ちた。

 これがジアさんの能力なのね!
 事前に洗浄班がウイルスの力を弱めていたとはいえ、エチルさんやポピさんに劣らないエグさだわ。

「新人、ウイルスが離れた器材の回収を頼む。」

「ハイ!」

 私は張り切ってグローブをはき替え、ショルダーバックから透明パックと蓋つきの瓶を出して、それぞれをピンセットで個別に回収した。

「消毒対象が種になるのを確認、RMDも無事に回収!」

「よし。消毒完了だお!」

 ♢

 ジアさんと園庭の手洗い場で手を洗っている時に、私はジアさんを質問攻めにしていた。

「ジアさん、こうなるのを事前に予測してあの水たまりを作っていたんですか?」

「まあね。丁寧な仕事をしろと隊長から指示されていましたし、9割は段取りですから。」

 いつもどおり素っ気ないけど、ジアさんがちゃんと受け答えをしてくれていることに私は気持ちがアガっていた。
 お礼を言うなら、今しかない!

「さきほどは、ウイルスに捕まった時に助けていただいてありがとうございました。
 自分の身も守れない未熟者なのに、その…嬉しかったです。」

「変だお。」

「はい?」

 ジアさんが手を拭いてから蛇口を止めて、私の顔をのぞきこんだ。

「新人の異能はエタノール噴射。
 園児たちに消毒をさせたのに、どうしてウイルスには使わなかったのですか?」

 ギクゥ!

「アッ、あの、手の自由が利かないと使えない能力でして…。」

 私のスプレーは、異能ではなく道具なのよー!

 という説明をしたいところだけど、この世界にないものを説明することは自分が異世界人だとカミングアウトをしなくてはならないということだ。
 だって、同じ世界の人間でも違う環境の人を受け入れられないのに、異能ではない上に異世界人というのは受け入れてはもらえない気がする。
 
 歯切れの悪い答えに納得できない顔のジアさんが、質問を追加した。

「あと、ウイルスの声が聴こえると言っていましたが、それも異能の一種ですか?」

「や、それも最近自覚したことなので、本当に聞こえているのか妄想なのかは、ちょっと自信がなくて…。」

 しどろもどろの返答をする私に、ジアさんがため息をついた。

「ホントに使えないヤツだお。」

(ジアさん!
 人の心は読めても、自分の心の声はダダ洩れです‼)

 ショボンと落ちた私の肩を、ジアさんがすれ違いざまに優しく叩いた。

「でも、僕の異能は手指消毒には不向きなんです。
 園児たちの一次予防ができたのは新人のおかげだから、それだけは認めてあげますよ。」

「!」

 ジアさんが優しく微笑んだ顔を、私は初めて見た。
 言葉は厳しいけど、ちゃんと私を見ていてくれている。

 きっと、根は良い人なんだよね!

「ジアさん、本当は私のこと…。」

「ストッープ!」

 ジアさんが苦々しく私を睨んだ。

「悪いけど、『ジアさん、本当は私のこと好きなんですか』って聞こうとしているなら迷惑だから。
 新人は寮のハウスキーパーも兼ねているから、いなくなったら困ると思っただけだお。」

 出鼻をくじかれたけど、私は食い下がった。

「でッ、ですよね~。
 じゃあお礼に夕飯はジアさんの好きなものにしますね!
 何が好きですか?」

「美味しいもの。」

「じゃあ、嫌いなものを入れませんから、嫌いなものを教えてください。」

「ニンジン。」

「アレルギーなんですか?」

「美味しくないから。」

 私はニンジンを避けるジアさんを想像して、思わずニヤケてしまった。
 その時、ジアさんの眉毛がピクリと動いた。

「あ、今『子どもみたい』って思いましたよね?」

「お、思ってないです。」

「ウソ言わないでください。顔に出ていますよ。」

 車に向かって歩き出したジアさんの周りを、私はスキップしながら歩いた。

(もしかして今日は…。)

 すると、ジアさんが急に顔を赤くしてこちらを向いたの。

「今日は僕と少し仲良くなれた気がしたと思っているなら誤解だお!」

 ガガーン!
 私のアガっていたテンションは、いきなり崖から突き落とされたようにどん底にまで落ちた。

「仲良くなりたかったら、早く仕事を覚えて楽させてくださいね。
 新人に仕事を教えながら働くのは、大変なんですから!」

 ハイ、おっしゃる通りです。
 クスン!

 ♢

 後日私たちは、依頼された衛生管理教室の指導のために、もういちど保育園を訪問した。
 厳しいジアさんと二人で訪問だなんて…と、緊張したのは最初だけで、園児たちのフルパワーに私たちはずっと翻弄されっぱなしだった。

 その上『園児たちが下ごしらえを手伝った給食を一緒にどうぞ』との誘いを断れず、私とジアさんは用意された小さな机と椅子に腰かけた。

「せんせい・みなさん・しょうどくはんさん・みんなそろっていただきまーす!」

 子どもたちが一斉にわちゃわちゃとご飯を頬張る姿が、可愛いの大渋滞!
 やっぱりランチは大勢で食べるのが楽しいよね!

 子どもたちとお話をしながら給食をモリモリ食べていると、ジアさんの席にいつの間にか人だかりができていた。

「おにいちゃんは、ごはんをたべないの?」

 大勢の子供に囲まれたジアさんが固まっている。

(どうしたのかしら?)

「新人、助けて。」

 涙目のジアさんが指さしているのはニンジンがたっぷりのカレーライス。
 そうだ、確かジアさんはニンジンが苦手なんだっけ。

(私にしかできない仕事、見ーつけた!)

「私、お腹空いたから、ジアさんのニンジン頂きますね!」

 ジアさんは赤い顔で頷いた。
 これで少しはジアさんと仲良くなれたかな?

 私はニンジンを口いっぱいに頬張ってピースをした。