(悩める)リケジョの白井さんと(気ままな)リケダンの日高くん

 (!)
 (今、何ていった?)
 (え、カレシ?)
 自分が私のカレシであると、挑発的な目をして日高くんは喜多くんに告げる。
 私のカレシだと告げられた喜多くんのほうは、不意を突かれて呆然とする。呆然とするものの、喜多くんの現状認識スピードは速かった。
 「お迎えがいたんだね。じゃあ白井さん、新学期にね~」
 と、さらりという。いかにも自分は学校の人といわんばかりに。
 そのまま彼はスタスタと雑踏の中に消えていった。

 ぽつんと、正確には周りに大勢の人がいるのだが、私は残された。でも、残されたといっても隣に日高くんがいる。
 (あれ、これは、どういうことなのかな~)
 どういうことも、これでは完全に誤解したままである。
 日高くんがカレシであってほしいと願ってはいても、願っているだけで、そうではない。
 でも今、日高くん自身がいった。白井さんのカレシですと。
 隣にいる日高くんの顔をみることができない。状況がわかれば、急に心臓が大きく鼓動する。

 「白井さん、前にいったよね」
 少し呆れた声で、日高くんが口火を切った。
 「え、何を、でしょうか?」
 「白井さん、かわいいから、絶対目ぇつけられるから、気をつけてって」
 「え?」
 なんと、私がナンパされていたと思ったらしい。