足が止まる。隣の喜多くんのことなど構わずに。
(日高くん?)
行き交う群衆の中で、声の主を探すのは困難かと思われた。でも目が、日高くんの姿を探す。
(ここに、日高くんがいるの?)
(ずっと音信不通で路線も変わってしまっていたけれど、この東京駅なら、偶然の遭遇はあり得る!)
(でもこの、人混みでは……)
でもそれは、杞憂に終わる。声主の日高くんは、まっすぐにこちらに向かってきたから。
「白井さん、お帰り」
私の正面に立てば、当然のことといわんばかりに日高くんがいう。
「あ、はい。ただいま、です」
(私、実習のこと、教えてないよ)
想い人と偶然会えたのは嬉しいが、喜びよりも別の疑問のほうが大きい。
「それじゃあ、いこうか」
(え?)
(どこへ?)
パフェに誘われたときがこんな感じだっただろうか? でも今は、パフェを食べにいくのではなく、帰省の電車に乗る途中で……
「白井さん、知り合い?」
数歩先で私の歩みが止まったことに気がついた喜多くんが戻ってきた。
「あ、うん。高校の……」
高校の同級生と説明しようと思ったら、先に日高くんが仕掛けた。
「白井さんのカレシです。付き添ってくれたようで、ありがとうございます」
(日高くん?)
行き交う群衆の中で、声の主を探すのは困難かと思われた。でも目が、日高くんの姿を探す。
(ここに、日高くんがいるの?)
(ずっと音信不通で路線も変わってしまっていたけれど、この東京駅なら、偶然の遭遇はあり得る!)
(でもこの、人混みでは……)
でもそれは、杞憂に終わる。声主の日高くんは、まっすぐにこちらに向かってきたから。
「白井さん、お帰り」
私の正面に立てば、当然のことといわんばかりに日高くんがいう。
「あ、はい。ただいま、です」
(私、実習のこと、教えてないよ)
想い人と偶然会えたのは嬉しいが、喜びよりも別の疑問のほうが大きい。
「それじゃあ、いこうか」
(え?)
(どこへ?)
パフェに誘われたときがこんな感じだっただろうか? でも今は、パフェを食べにいくのではなく、帰省の電車に乗る途中で……
「白井さん、知り合い?」
数歩先で私の歩みが止まったことに気がついた喜多くんが戻ってきた。
「あ、うん。高校の……」
高校の同級生と説明しようと思ったら、先に日高くんが仕掛けた。
「白井さんのカレシです。付き添ってくれたようで、ありがとうございます」
