私の正面に座っているヒロくんこと喜多弘明くんが、さらりという。
高校生のときは進学一択であったが、大学生だと選択肢に就職と進学がある。ここの大学の場合、男子学生はほとんどが大学院進学するので、喜多くんの答えは多数派だ。
「白井さんは、院、いくっしょ?」
私と同じカニクリームコロッケを頬張りながら、喜多くんが確認してきた。不意に質問を振られて、私はびっくりした。
「ううん、就職だよ」
「え、いかないの? 成績いいのに」
「院卒だと就職が難しいみたいだから、四年卒で働くつもり」
今いる農学部が女子の多い理系学部だとしても、一般社会ではリケジョはまだまだ数の少ない人種だ。大学こそは女子比率が増えたとしても、積極的に女子を採用しようという会社はそんなに増えていない。
そんな状況だから高学歴になるとかえって女子は不利になる、そう先輩リケジョからきかされていた。まだまだリケジョの進む道は厳しいようで、私は就職を決めたのだった。
「もったいないね。できるのに」
「私、そんなに優秀じゃないから」
社交辞令として受け取れば、喜多くんは私のグラスにビールを注ぎながらいう。
「じゃあ、俺が偉くなったらヘッドハントするよ」
どう偉くなるのか不明だが、ここは酒の席である。
「ほんと! そのときは、是非よろしくお願いいたします!」
任せなさーいと、意気揚々と喜多くんは約束したのだった。
高校生のときは進学一択であったが、大学生だと選択肢に就職と進学がある。ここの大学の場合、男子学生はほとんどが大学院進学するので、喜多くんの答えは多数派だ。
「白井さんは、院、いくっしょ?」
私と同じカニクリームコロッケを頬張りながら、喜多くんが確認してきた。不意に質問を振られて、私はびっくりした。
「ううん、就職だよ」
「え、いかないの? 成績いいのに」
「院卒だと就職が難しいみたいだから、四年卒で働くつもり」
今いる農学部が女子の多い理系学部だとしても、一般社会ではリケジョはまだまだ数の少ない人種だ。大学こそは女子比率が増えたとしても、積極的に女子を採用しようという会社はそんなに増えていない。
そんな状況だから高学歴になるとかえって女子は不利になる、そう先輩リケジョからきかされていた。まだまだリケジョの進む道は厳しいようで、私は就職を決めたのだった。
「もったいないね。できるのに」
「私、そんなに優秀じゃないから」
社交辞令として受け取れば、喜多くんは私のグラスにビールを注ぎながらいう。
「じゃあ、俺が偉くなったらヘッドハントするよ」
どう偉くなるのか不明だが、ここは酒の席である。
「ほんと! そのときは、是非よろしくお願いいたします!」
任せなさーいと、意気揚々と喜多くんは約束したのだった。
