帰り道。
アパートまで15分くらいの道のりをゆっくりと歩いていると、早坂くんが思い出したように笑った。
「あかり、すげー美味そうに食ってたな」
「え?だってすごい美味しかった」
「目がキラキラ輝いてた。ケーキ屋とかで女子がする目をチキン南蛮に向けてた」
「うるさいなぁ」
「アハハ。あの店、安いしボリュームあるから学生に人気なんだよ。俺も週2くらいで行ってる」
「そうなんだ。いいなぁ」
私が知らない、東京での早坂くん。
もっと知りたいな。
「コンビニで飲み物買ってこー」
早坂くんがそう言うので、通りがかりのコンビニに寄ってから帰った。



