散らかった部屋を2人で片付けながら、一応家主にお詫びする。
「早坂くん。ごめんね、なんか面倒なことしちゃって」
「え?あぁ、酒?別にいいよ。置いてあったのが悪いし。もう平気なの?」
「うん。寝たら覚めた」
「飲んだこと無かったんだな」
「飲まないよ。二十歳になるまでは」
「ふは。真面目か」
その口振りだと、早坂くんは普段お酒飲んだりしてるのかな。
なんか、全然知らない。いまの早坂くんのこと。
近くに行きつけの定食屋さんがあることも、お酒のことも、リサって子のことも。
「あのさ、さっき愛の告白がなんとかって…」
私が様子を伺いながら聞くと、早坂くんはキョトンとした。
「愛の……?ああ!リサ?
えっ、てか聞こえてた?」
「えっと、うん。
聞くつもりはなかったんだけど」
「ゴメン言ってなくて。
同じゼミの女子に告白された。もちろん断ったけど」
「そっか。そうなんだ」
あれ。
別に怒ってないのに。
ちゃんと断ってくれてる。
そもそも私が連絡不精だから言うタイミング無かっただけだろうし。
なんで、
なんでこんな寂しい気持ちになるのかな。



