「それにしても、あかりっち可愛かったな〜」
急に自分の名前が出てきてドキリとする。
あかりっち…って。
ほろ酔い気分の巻サンが続けた。
「缶チューハイ半分で顔真っ赤にしちゃって」
「見たんすか」
「不可抗力じゃん。怒んなよ。
早坂の彼女じゃなかったら連れ去ってたね」
「マジっすかー?俺も見たかったなぁ」
穴があったら入りたいとは、こういう事を言うんだろうな。
それにやっぱり。
自分がいないところで自分の話をされるのはいい気分ではないかも。
「早坂が他の女に目移りしないのが何となく分かるよ」
「……」
「ぱっと見普通の子なのに」
「……」
「何か唯一無二の雰囲気?」
「……」
「それに、」
「巻サン。もういいっすか?」
肯定も否定もしなかった早坂くんが、口を開く。
「そろそろ2人にしてほしいんすけど。3ヶ月ぶりなんで」



