カモフラなのに溺愛されても困ります!

玄関に行き、西園寺さんが靴を履いた後、私もショートブーツを履く。


「お邪魔いたしました。遅くならないうちにお送りしますので」

「いえいえ、お気になさらず、ごゆっくり。楓、失礼のないようにね」

「……はーい」


礼儀正しく頭を下げる西園寺さんを横目で見ながら、私はお母さんに返事をする。

ドアを開けて外に出ると、ガレージに黒塗りの高級車が止まっていた。

西園寺家の車だと納得していると、後ろで彼がフッと笑ったのが聞こえた。

……何かおかしな事でもあった?

何気なく振り返ると、口元に手をあてて、彼が笑っている。


「……何か?」

「いや……俺と君の格好がおそろいだなって」

「えっ?!」


し、しまった……っ!

彼に言われて、改めて目の前の彼の服装を確認する。

ライトブルーのシャツにベージュのニットカーディガン。

ネイビーのチノパンに革靴という、昨日のスーツ姿とは違う。

カジュアルなのに、どこか品があって……やっぱり育ちが違うんだなって思った。

何を着ても似合うのだろう。