友達ドール2


「実由ちゃん…少し話したい事があるの。今日の放課後、体育館の近くにある倉庫まで来てくれるかな?」


放課後。

倉庫。

閉鎖空間。

これまでのイジメが頭をよぎり、僅かに体が震えた。

次は何をされるんだろう…。

そこには漠然とした恐怖が存在していた。

だけど、まだ足りない。

イジメを受けたおかげで、心に不安と疲弊、恐怖を感じる事はできた。

だけどまだ、あと少し足りていない気がしている。

雛が…あの子が最後に感じたであろう感情が、まだ残っている気がする。

私は琴李に頷いた。


「うん、分かった。行くよ」


声は少しだけ震えていた。

それからの時間は、正直生きた心地がしなかった。

午後の授業の内容が全く頭に入ってこないし、胸の鼓動がバクバクとうるさくて集中できない。

強い緊張感の中で目眩すら覚える。

どうでもいい事ばかり気になってしまう。

次のテスト、今日の晩ご飯のおかず。

これから行われるであろう、イジメの内容。

後ろに座っている琴李は今、どんな顔で私の背中を見ているんだろう。

そんな事を考えながら、なんとか放課後までのりきった。