私の真剣な顔に、琴李がゴクリとノドを上下させた。
その瞳が強い信念を宿したように輝く。
「…うん、分かった。もっと頑張るね」
___そのためにも、準備しなくちゃ。
そう呟いて琴李はその日、学校を早退した。
「成宮さん、具合でも悪かったのかな?」
昼休み、ミオが琴李の机を見ながら呟く。
「うん、ちょっと疲れてたみたい」
適当な言葉を返して窓の外を見る。
風がふわりと吹いて、土の濃い臭いを運んできた。
もうすぐ雨が降るんだろう。
琴李は傘、持ってたかな。
「実由、どうかした?」
「ううん、何でも」
授業を終え、学校が終わる。
家に帰ると玄関に由太と琴李の靴があった。
どちらも帰ってきているらしい。
私はリビングを覗いた。
由太がソファにいる。
テレビをつけたまま、ゲームをしていた。
「ただいま由太。琴李は部屋?」
私に気づいた由太がゴロリとソファに寝転がる。
「おかえりー。うん、やる事があるって」
鼻歌交じりにピコピコとゲーム機のボタンを押す彼を見て、私は首を傾げた。
「どうしたの?機嫌良いけど」
「琴李ちゃん、やる事が終わったら一緒にゲームしてくれるって」
「あぁ、それで…」
ふと、階段を下りてくる足音がしてそちらを振り返った。



