事前にエリスさんから教えてもらっていた通り、彼女の不思議な能力で“記憶の上書き”がされているんだろう。
由太はもちろん、パパとママの中でも琴李は“今日から一緒に暮らす親戚の娘”として認識されているはずだ。
琴李の荷物は明日届くように手配されているようだし…特に心配する事は今の所ないかもしれない。
動きやすい格好になり、再び廊下に出て一階に下りる。
さて…何を作ろうか。
リビングを通り、キッチンへ。
冷蔵庫を開けて野菜を取り出していく。
春キャベツとニンジン、玉ネギ…モヤシも使っちゃおうかな。
お肉の代わりにウィンナーを入れて…よし、今日の献立は野菜炒めに決めた。
腕まくりをして、手をキレイに洗う。
包丁とまな板を出して…今日から家族が増えたから量は多めに。
野菜を刻み、フライパンを熱してウィンナーを炒める。
表面がパリッとして火が通ったら、野菜を入れて…味付けをしながら炒めて、野菜がしんなりしたら完成。
他には…どうしよう。
ほうれん草を茹でてカツオ節とあえるかな。
琴李が由太を見ていてくれるから、いつもより料理に集中できている気がする。
洗い物と並行しながら二品の料理を完成させ、私は二階の二人へと声をかけた。
「由太!琴李!ご飯できたよー!」
少しして階段を下りてくる足音が聞こえた。
今日からは少し賑やかな食卓になりそう。
私は小さく微笑みながら、器に盛った料理をテーブルに運んだ。
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