コロコロとボールが転がって、琴李の足元で止まる。
琴李がボールを持ち上げるのと同時に、少し離れた場所から男の子が駆け寄ってきた。
「ごめんなさい!拾ってくれてありがとうございます!」
ボールを受け取ろうと両手を伸ばす男の子。
琴李が戸惑った様子で私を見た。
「貸して?」
私は琴李からボールを受け取り、ソレを男の子に渡す。
「はい、人に当てないように気をつけてね」
「はーい!」
元気よく去って行く男の子。
「あの…ありがとう」
隣から聞こえてきた声に視線を向ける。
初めて聞いた琴李の声は、アニメのヒロインのような、とても可愛い物だった。
「私達も、帰ろうか」
そう言って笑う。
カバンを肩にかけ直して、私達は公園を後にした。



