しばらく真剣に考えた結果、ようやく納得できる物が頭に浮かぶ。
私は鼓動が早くなるのを感じながら口を開き、その名を告げた。
「琴李…ってどう、かな?」
ベンチから立ち上がり、近くの砂場に指で漢字を書く。
女の子も気になるのか、砂場についてきて私が書いた字を見つめている。
琴李…そう書かれた部分の砂を、女の子がゆっくりと指先でなでた。
そして私に視線を向けて、はにかんだ表情を見せた。
「…気に入ってくれた?」
その言葉に女の子…琴李は嬉しそうに頷いてくれた。
「素敵な名前ですわ、実由様」
パチパチと手を叩いてエリスさんが立ち上がる。
「それでは…次に“友達ドール”の特徴についてお教え致しますね」
再びベンチに戻りエリスさんの話を聞く。
“友達ドール”…琴李についての情報はいくつかあって、私はそれらを全てスマホにメモしていった。
そして全てを話し終えた後、エリスさんは私と琴李を交互に見て笑みを浮かべる。
「お二人の今後が楽しみですわ。どうぞ末永く、仲良く過ごして下さいね」
そう言ってベンチから立ち上がり、私へと頭を下げた。
「それでは私はこれで失礼致します…では」
クルリと背を向けて去って行くエリスさん。
遠ざかっていく背中を眺めていると、ポンッと何かが跳ねる音が聞こえて視線を向ける。



