「立ち話というのも疲れてしまいますわね。あちらでお話致しましょうか」
エリスさんが指で示したのは、弟ともよく遊びに行く公園だった。
散歩をしているおじいさんや、ランドセルを放置して遊具で遊ぶ小学生達を横目に、入り口の奥に設置されたベンチに向かう。
人はけっこう多いはずなのに、目立つエリスさんを見る人は少なかった。
…というより誰も彼女を気にしていないように感じる。
ロリータのようなドレスを着た美人が公園にいるなんて、私だったらチラチラ見てしまうけど…。
何か、特別な力でも使っているんだろうか。
夢の中から出てくるような存在だし、それくらい造作もない事なのかもしれない。
長い三人がけのベンチ、その両端に私とエリスさんがそれぞれ座る。
「…ん?」
ふと、気づいた。
ずっとエリスさんの後ろをついて歩いていた女の子が戸惑ったようにもじもじしている。
その視線は空いている真ん中の座面に注がれていて…。
もしかして、座っていいのか迷ってる…?
「あの…ここ、どうぞ」
見かねて声をかける。
ポンポンと座面を叩いてみせると、女の子は小さく頷いてから言われた通りに示された場所へと腰を下ろした。
それを見てエリスさんが微笑む。
「あら…どうやら相性は悪くないようで安心致しましたわ」
「…相性?」
頷いたエリスさんが女の子の肩に手を添える。



