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いつも通りの日常を過ごし、全ての授業を終える。
帰り支度をしていると背後から肩を叩かれた。
「実由!放課後なんだけど、あいてる?カラオケ行こってなってるんだけど一緒に行かない?」
振り向くとミオの姿がある。
その後ろにはミオを待っているんだろうクラスメイトである数名の女子達。
私の方を見て、ヒソヒソと小声で何かを話している。
カラオケに行くという話だけど…明らかに私を歓迎しているようには見えない。
「あー、ごめん。今日は用事ある」
「え、そうなの?残念…」
「また今度にでも誘ってよ」
そう言って笑うとミオがヒラリと手を振った。
「分かった!それじゃあまた明日ね」
「うん」
頷いて私も手を振り見送った。
あの花瓶と造花を自分の机に飾り始めて以来、私はクラスで浮いた存在になっていた。
でも別にイジメられているワケじゃなくて。
気まずそうにされるっていうか…私とどう接すればいいか悩まれているって感じの扱いだ。
つまり微妙な距離を保たれている。
まあ、当たり前の対応だけど。
「…いっそイジメてくれれば良かったのに」
そうすれば…あの子の気持ちだって。
ポツリと呟いた言葉は、賑やかなクラスメイト達の会話でかき消された。



