「よし、こんなもんでしょ…由太!」
テレビを見る弟へ声をかけ、反応がないからそのままランドセルを背負わせる。
リモコンを操作してテレビの電源を切ると由太が抗議の視線を向けてきた。
反抗的なやつめ。
「ほら、学校行くよ」
二人で家を出て、鍵をかける。
ママとパパは今日も朝からの仕事でいない。
私はいつものように由太に合鍵を渡した。
「これ、どっかに忘れたらお家に入れないからね。落とさないようにしっかり持ってて」
「分かってるって…」
長いヒモがついた合鍵を由太が首にかける。
さて、まず向かうのは近くにある弟の学校だ。
私の通う高校はその後。
受験する時に近い場所を選んで本当に良かったと思う。
いつも使っている通学路は車の通りが多いし、弟一人で通わせるのは心配だったから。
「ほら、車来てる!フラフラしてないで…ちゃんとお姉ちゃんの手、握ってて」
「大丈夫だって、もう学校つくから手ぇ放して」
そう言って繋いでいた私の手を振り払う由太。
そのまま先を歩いていた他の児童達と合流し、一緒に小学校の校舎へと向かっていった。



