「気になるドールがおりましたでしょうか?」
「…っ…!」
いつの間にかすぐ近くにエリスさんが来ていた。
驚いて私は2、3歩後ろへと後退する。
そんなにドールに見とれていたんだろうか。
全く気配を感じなかった。
再び体を強張らせる私に、エリスさんがニコリと笑いかける。
「ここでお会いしましたのも何かのご縁…よろしければドールを一体、贈らせていただきますわ」
「…え…」
「さぁ___お選び下さいませ」
エリスさんが両手を広げる。
…どうしよう、断るべき…なんだろうか。
そう考えたけど、すぐに思い直した。
だってこれは夢の中のお話。
それなら…その話の流れにのって選ぶくらい、別にいいんじゃないかな。
「じゃあ…」
適当なドールを選ぼうとして、ふと気づく。
ドール達の首にかけられた紙の存在。
“気が強い”とか“寂しがり屋”とか…これは性格?
「そういえば“友達ドール”って商品名なんだっけ」
つまり…私は今、自分の友達になるドールを選んでるっていう事だ。
友達…。
そう思った時、あの子を思い出した。
もういない、あの子の事を___。
「あの」
私は口を開く。



