かつて、お母さんが生きていた時は花々が咲きほこっていた自慢の花壇。
今は土が残るのみで、何も植えられていない。
私はそんな花壇の前にしゃがみ込み、土を素手で掘っていく。
「私も手伝うよ」
そう言って、ひなたも一緒になって土を掘ってくれた。
やがて10㎝くらい掘られた穴の底に、ひんやりとした雛の両目を置く。
少しだけ土を被せて、その上にさっき買ったばかりの花の苗を埋めていく。
お母さんとのガーデニングを思い出しながら、優しく土を被せた。
花壇の一部分に出できた、小さな花畑を見つめながら呟く。
「…生きて雛に償うために…まずはこの花壇を、たくさんの花で埋め尽くそうかなって思うんだ」
私の言葉にひなたが微笑む。
「うん、すごくいいと思う」
そう言われて。
私はようやく、少しだけ笑う事ができた。
これからこの場所には、季節毎の花が咲き並ぶだろう。
雛は…それを見ていてくれるかな。
この世に咲く花と、あの世に咲く花は…どちらが美しいんだろう。
いつか…その答え合わせができる日まで。
私は犯した罪を忘れる事なく、生きていく。
…ひなたと。
大事な友達と、一緒に___。



