友達ドール2


死ぬ事が怖い。

苦しい思いをしたくない。

ひなたにも…あんな苦しい事、もう二度とさせたくない。

できない、怖い、私は___。

雛が死んだあの時と、何も変わってない。

自分の事ばかり。

雛の事も、ひなたの事も、考えてない。


「ごめんなさい…ごめんなさい…!!」


地面に伏せて謝り続ける私の背中が、ゆっくりとさすられる。


「大丈夫…大丈夫だから泣かないで、奏ちゃん」


ひなたの声が優しく耳に届く。

私は湿った土をガリガリと爪でひっかき、こみ上げてくる悔しさを押し殺した。

それでも、やっぱり。

死ぬのは怖くて。

今のこんな私を見たら、雛はなんて言っただろう。

幻滅される?

それとも…。


「ダメ…!雛は…きっと怒ってる…!こんなんじゃ…こんな私じゃ雛に許してもらえない…!」


土まみれの手で頭をかき乱す。

それを止めてくれたのは、ひなただった。

白くてキレイな手が汚れるのもお構いなしに。

私の手を取り、ひなたは笑う。


「私が、奏ちゃんの事を許すよ」


その言葉に…私はゆっくりと顔を上げる。

ひなたと目が合った。

涙や鼻水、土で汚れた私の顔を、そっと指先でぬぐってくれる。


「雛ちゃんが奏ちゃんを許さなくても、奏ちゃんが自分自身を許せなくても…いいの。私があなたを許すから」


瞳に映ったひなたの背中に、白い翼が見えた気がして目を瞬かせる。

目の前の天使が、再び口を開いた。


「だから…それで、納得してくれないかな?」


「…納得…って、何を…?」


「私が許した事を…私と一緒に“生きていく”理由にしてほしいなって。…それじゃ、ダメかしら?」


濡れた頬を風がなでていった。

…生きていく、理由。

ひなたと、二人で…?

今までずっと死ぬ事ばかり考えてきた。

そんな私が…生きる事を考えていいの…?

許すと言われた心が、震えていた。