友達ドール2


「…っ…ひなたぁ…」


弱々しい声が出た。

ひなたの肩口に顔をうずめる。

その頭が、ポンポンと優しくなでられた。


「…かな、で…ちゃ…、大丈、夫…だよ」


聞こえた声に勢いよく顔を上げる。

三度目にしてようやく返ってきたその声は、酷くかすれていた。

目元に涙を浮かべながら、ひなたが微笑む。


「私、は…平気だから…だから、もう一度…だね」


___“もう一度”。

ひなたの言葉に、頭が真っ白になった。

…もう一度…?

もう一度って…何を…?


「っ…ゲホッ…ゴホッ…!」


苦しげに咳きこむひなたが、目の前にいた。

隠すように押さえられた首元には、ロープの跡。

もう一度…やらせるの…?

ひなたに…こんな苦しい思いを、もう一度…?

もしも、また、失敗したら___?

体の芯から、冷えていくような気がした。

ドクドクと心臓が暴れだす。


「わ…わた、し…私、は……」


カチカチと歯がぶつかる音がする。

震えていた。

ひなたと目が合って、私は。

私は___情けなく、首を横に振った。


「…な、い…!…もう…でき、ない……っ!!」


絞り出した言葉。

涙でとっくに視界は滲んでいる。

できない。

できない。

ひなたに首吊りをさせる事も、再び死に立ち向かう事も___できない。

一度は覚悟を決めたはずの心…それは、もう粉々に折れてしまっていた。

今はただ、全てが怖くてたまらない。

あの時…雛から逃げた時と同じ感覚に襲われる。

ボロボロと涙をこぼして、ひなたにすがりついた。


「やらなきゃいけないのに…!命でしか償えないのにっ…!怖いよ…!ひなた…どうしよう、どうしよう…!!」