友達ドール2


私はよろけながら立ち上がり、宙に浮いたままのひなたへと駆け寄った。

彼女の首はこうしている今もロープに締めつけられている。


「は、早く…!早く降ろさなきゃ…!!」


“友達ドール”であるひなたは、死ぬ事がない。

私がこうして生きている限り___首を吊る苦しみから解放される事も…。

慌てて手を伸ばす。

だけど、届かない。


「イス…!イスは!?」


苦しむひなたを前に焦りながら、どうにか近くに倒れていたイスを引っ掴む。


「これ!これに立って、ひなた!!早く!!」


座面にひなたの両足がついた。


「___っは…ぁ…はぁっ……」


「…っ…」


小さく、続けて呼吸を繰り返すその背中をさする。


「…な…」


“ひなた”と声をかけようとしたけれど、上手く発音ができない。

首を吊っていた影響なのか、吊されたひなたを見た恐怖からか…それを助けられた安堵からなのか。

理由は考えても浮かばなかった。


「っ…ひ…なた…」


今度は辿々しくだけど、名前を呼べた。

だけど返事は返ってこない。

ひなたはまだ呼吸を整えている。

顔色が悪い。

死が、終わりが訪れない中での苦しみは、どんなに壮絶な物だったんだろう。

…私が上手く、死ねなかったから…。

だから今、ひなたはこんなにも苦しそうにしている。

私の、せいで。

いつの間にか目から大粒の涙がこぼれ落ちていた。