友達ドール2


「準備は、いい?」


「ええ、いつでも」


目と目を合わせて、頷いた。

そっと伸ばした手を、ひなたが強く握ってくれた。

息を吸って、吐いて。


___ドンッ___!


勢いよく蹴飛ばしたイスが、音を立てて地面に転がる。

途端に枝がきしみ、ロープが首をガッチリとくわえて締めつけた。


「ぁぐっ……!が…!!」


目が飛び出そうなくらいに見開かれる。

苦しい___!

痛い、痛い、苦しい___!!


「……ぁ、あ…ぁが…!!」


酸素を求めて口をパクパクと開閉するけど、当然ながら呼吸はできない。

循環できなくなった血管が悲鳴を上げる。

顔に熱が集まって赤くなっていくのが分かった。

じわじわと、意識が遠のいていく。


「___っ…」


チカチカとくらむ視界に、終わりが近い事を知る。

バタつかせていた足の動きが鈍くなり、意識を失うまであと少しという時だった。


ボキッ___!


「___かはっ!ゴホッ、ゲホッ……!!」


湿っぽい地面の上に、私の体が転がる。

…何が起きたの…?

目から溢れた涙もそのままに、咳きこみながら後ろを振り返る。

足元に、折れた枝があった。

私の首から伸びるロープが、その枝に繋がっている。

私のロープを繋いでいた部分が落下したんだ。


「…ぁ…、が、ぁぁ…」


ふと、上空から声がした。

苦しげな、声が。

私は叫ぶ。


「っ、ひなたっ…!!」