友達ドール2


廃墟から少し離れた森の中に移動して、辺りを見渡す。

手頃な木を見つけて、ひなたの手を借りながらロープを枝に結んだ。

垂れ下がった二つの輪っかを見て、震える体を両手でさする。

…怖い。

覚悟を決めたはずなのに…怖くて、たまらない。

雛もこんな恐怖の中で旅立っていったんだろうか。

飛び降りの方が楽に死ねたかな?

…いや、そんな考えじゃダメだ。

罰を受けるなら辛くて苦しい物じゃないと___きっと、償えない。


「奏ちゃん、大丈夫よ」


ひなたが私の手を握った。

ドールだなんて思えないほど温かな手が、ひんやりと冷たくなった私の指先を優しく包む。


「私が一緒にいるわ___最期の瞬間まで」


その言葉に、心がふっと軽くなった気がして私もひなたの手を握り返す。

ひなたが一緒にいてくれるなら、何も怖くない。

口元に小さく笑みを浮かべる。


「あの世に咲く花を、見に行こう」


そこにはきっと、雛もいるから。

足を動かして、風に揺れる輪っかの前に立つ。

そこには二つの古びたイスが置かれていた。

どちらも廃墟で見つけた物。

それを足場にして枝にロープを固定した。

首をくくる時も、これを利用する。


「さぁ…やろう」


私が片方のイスの上に立ち、輪になったロープに首をかける。

ひなたも同じように残ったイスの上に乗り、ロープへ首をかけた。