友達ドール2


「奏ちゃんは…死のうとしてるの?」


「うん。雛を殺した罪を(つぐな)わないと」


ひなたが悲しそうに顔を歪ませた。


「このロープを木の枝にくくりつけたいの…それを手伝ってくれる?」


「あのね、奏ちゃん___」


「お願いだから、止めないでね」


ひなたの言葉を遮ってキッパリと言い放つ。

もう、逃げる事は許されない。

あの日、死ぬ事に怯えて雛を一人ぼっちにさせてしまった罰を、受けないといけないんだ。

大事な友達を見殺しにした。

私には、もう、生きていく資格なんてない。


「えぇ、止めない」


ひなたが私を見つめて微笑んだ。


「だけど…私も奏ちゃんと一緒に死なせてほしい」


「…え…?」


私の手から、するりとロープが落ちていく。

ひなたがそれを拾い上げて、私の手に握らせた。


「私は奏ちゃんの“友達ドール”だから。…奏ちゃんが死ねばただの人形…ドールに戻るわ、それなら…最後に苦しみも分かち合いたい」


エリスさんの言葉が頭に蘇る。

教えてもらっていた“友達ドール”の特性。


“この子達ドールの命は、奏様の命と繋げております。つまり、奏様が死ぬとき…その日がまさしくドールの命日にもなるのですわ”


そっか…。

私はひなたを、友達を道連れにしちゃうのか…。

でも、それでも。


「ひなたが苦しんで死ぬ必要ないよ」


私がしようとしているのは…首吊り。

きっと…すごく、苦しいと思う。


「ひなたは傍にいてくれるだけでいいの」


それでも…ひなたは頷いてくれなかった。

その真っ直ぐな瞳に、私は遂に降参する。


「…分かった。…私達、一緒に、死のう」


ひなたは、嬉しそうに笑っていた。