花束を雛の遺体があった場所に置く。
隣を見るとひなたが目を瞑り、両の掌を合わせていた。
私もそれに続くように手を合わせ、目を閉じる。
過去の全てを話しても、ひなたが私を責める事はなかった。
“今まで一人で抱えこんで、辛かったね”
そう言って私を抱きしめたひなたに、何も言えずうつむいていた。
静寂の中、唇を噛んで雛を想う。
___一人ぼっちで死なせて、ごめんなさい。
心の中には今でも後悔の念が渦巻いていた。
…だから。
私はそっと目を開ける。
そしてショルダーバッグの中に入れてあった、ある物を取り出した。
「ひなた」
隣にいる彼女の名前を呼ぶ。
少しだけ、声が震えていたかもしれない。
「どうしたの、奏ちゃん…」
穏やかに笑うひなたが、私の手に握られたそれを見て首を傾げた。
「それは…ロープ?家から持ってきたの?」
「うん、そう」
頷いて、私は言葉を続けた。
「この前話した事…覚えてる?雛を殺した犯人を見つけたら、どうするかってやつ」
「…ええ、覚えているわ」
ひなたが悲しげに目を伏せる。
今から私が何をしようとしているか、察してくれたんだろう。
「手伝ってほしいの、犯人を殺すために」
私を___殺すために。



