友達ドール2


それからの私は…なんていうのかな。

“あの世”に憧れるようになった。

命が終わる事は祝福すべき事。

苦しい事ばかりの“この世”から切り離されて、素晴らしく幸せな“あの世”に行ける。

“あの世”には何でもある。

食べたかった物も、着たかった服も、住みたかった家も、生きたかった場所も。

会いたい人も、そこにいる。

神様が作ってくれる、会わせてくれる。

天使に手を引かれて、導かれるままに。

そんな場所に行きたいと…思うようになった。

そしたら、雛からこんなメッセージが届いたの。


『一緒に、あの世に咲く花を見に行かない?』


あの世に咲く花。

彼岸花を思い出して、私は聞いた。


『いいね、どこかに見られる場所があるの?』


___彼岸花が咲いてる場所へ遊びに行こう。

そういう意味かなって思ったけど…違った。

雛が次に送ってきた文章には。


『違うの。お母さん達に会いに行こうよ』


その一文で私は全て理解した。

あぁ、これは___一緒に死のうって事だ。

それが、分かったから、私は…。


『私も行きたい。雛は私の特別だから…逝くなら特別な友達であるあなたと一緒に逝きたい』


それからは…早かったと思う。

近所のホームセンターでロープを買って、薬は…睡眠薬が欲しかったけど買えないから。

市販されてる風邪薬を買った。

あのパスワード付きのSNSで日時と場所が決まって…『一緒に生まれ変わろう』って、私もその気になってて。

8月8日を迎えた。

お父さんには友達の家に泊まるって言っておいた…気づかれたら、絶対に止められるから。

まだ眠ってるお父さんを見て“今までありがとう”って呟いたのを覚えてる。

朝一番の新幹線に乗って、電車に乗った。

あとは今日と同じように徒歩で廃墟に向かうだけ。

…でも。