『私ね、今、学校でイジメられてるんだ』
「…イジメ……?」
返事は続けて送られてきた。
『ほぼ弱音とか愚痴になっちゃうかもしれないんだけど…それでも聞いてくれますか?』
私はすぐに返信した。
『はい、私でよければ聞かせてください』
そうして語られた、雛の受けているイジメは…私が想像していたより酷いものだった。
無視されて、上履きとかノートとか物を隠されるようになって。
それが段々とエスカレートしてきて、イジメっ子の気分次第で暴行を受けたり、お財布からお金を抜き取られていたり…。
最近では階段を下りている途中に背中を押されて落下して、ケガまでしたらしい。
『そんなの酷すぎます。先生やお父さんに助けてもらった方が…あとは警察とか…とにかく誰かに相談をした方がいいと思います』
壊れかけていた私の心に寄り添ってくれた、顔も知らない、ネット上の繋がりしかない優しい恩人。
その恩人が受けたイジメの内容に、怒りすら感じていた私の言葉に、恩人その人である雛はこう返した。
『先生に言ったらもっと酷くなるし、お父さんにも心配かけたくないから…警察は、出せる証拠がないから…無理かなぁ』
『そんな…』
『でも今は、奏さんが聞いてくれるから気持ちがだいぶ楽です。…もしよければ、これからも色々な事を話しませんか?楽しい事とかも含めて』
私の指は、自然と“はい、もちろんです”と打ちこんでいた。
例え僅かでも、雛の力になれているという事が嬉しかったんだと思う。
それから私達は、毎日DMでやり取りをした。
雛の話を聞いていく内に、雛の情報が増えていく。



