知らない人になら伝えられるかもって思って。
軽く自己紹介だけして、文章を入力していった。
その時に思っていた事、全部話したの。
お母さんが死んで、心に穴が開いてる事。
その穴が埋まらなくていつまでも泣いてる事。
前を向こうとしない私に、お父さんが苛立っている事。
叔母さんが作ってくれたご飯が、お母さんの味と違う事。
それで今日、お父さんと喧嘩になった事。
私が送る文章に、雛は一つ一つ丁寧に寄り添って返事をくれた。
『あなたにとってお母さんはとても大事な存在だったんだね…悲しいよね』
『悲しい時に、無理して前を向かなくてもいいんだよ。今はいっぱい泣いていいんだよ』
『喧嘩も辛かっただろうけど、お父さんに上手く言葉が伝わらなかったのも辛かったね…お父さんもそんなに怒らなくていいのに』
雛は私が悪いって決めつけたりしなかった。
『雛さんは何で私の話を聞こうとしてくれたんですか?』
そう聞くと、雛はこう返してきた。
『私もお母さんが死んだ時、誰かに話を聞いてもらいたかったからかな?同じ境遇の奏さんの力になりたくて…少しはスッキリできてたらいいな』
確かに…話したかった事を、否定されずに話しきった私はだいぶスッキリしてた。
でも私だけこんなに話を聞いてもらって、悪いなとも思って…こう書いてみたの。
『あの…雛さんのお話も聞かせてもらえませんか?何か辛い事とか…自慢とかでも何でもいいんです。私もお返しがしたくて…何でも聞きます』
それから少し間があって…迷惑だったかなって不安になった。
…だけどね。
雛から、こんな返信が来た。



